内田吐夢『飢餓海峡』 & 田中良紹『裏支配―今明かされる田中角栄の真実』

5/6(木)
近畿大学文芸学部へ。八戸ノ里から花粉症完全防備で歩く。
名簿ができていて、今年のアートマネジメント論受講者は51名。今日は35名。3回目だが、初めての学生も数名あり。チクセントミハイのフロー理論にもとづく、アーツマネジメントの定義づけに興味を示す学生たち。いつもどおり。

帰りは、生協で文房具を買い(ここもキャンパスはいつも工事中だなあ)、長瀬駅から帰る。駅がずいぶんきれいになっていた。確かにすこし近いということもあるが、商店街を通ることでより八戸ノ里よりも長瀬までの距離が短く感じられる。鶴橋でキュウリとオクラのキムチ。
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帰って、内田吐夢監督(原作:水上勉)『飢餓海峡』(1965年、183分)をDVDで見る。横長の画面なので、家のテレビではずいぶん小さく感じられる。前は中古ビデオだった。こちらはかなり痛みが激しかった。それにしても、何度見ても圧倒されて3時間がぶっとぶ。前見たときはまだ水上の原作を読んでいなかったから、あまりにも杉戸八重(左幸子)のエロティシズムに圧倒されたものだったし、最後はなんかあっけなかったように思っていた。

今回ももちろん、左幸子と後半のしらを切る舞鶴の実業家(篤志家)樽見京一郎こと、犬飼多吉を演ずる三国連太郎との嵐のシーンの逆転しつつ、連続する性愛に泣くのだが、「飢餓」問題が、また、日本に身近になってきたこともあって、より、差別構造の方に心が動いたのも事実。(衝動的に、内田吐夢映画でまだ見ていない作品とか、三国と幸子が夫婦役をしているという「はだしのゲン」を購入してしまった。)

犬飼多吉の幼少時代を原作から映画では省くのは、ミステリーのテンポからしたら間違いではなかったけれど、いまであれば、娼妓中心だけではなく、被差別部落の問題を含めて、より冷静に日本の差別問題を描けるのかも知れない。それにしても、オンリーさん、ナワバリ=ヤクザ、売春、犯罪、警察捜査、土葬・・・テーマが溢れかえる映画である。小説の元の一つとなる洞爺丸転覆事故が、『おくりびと』の㈱納棺協会の創業者を生んだことなど、興味尽きない映画。日本映画のベスト3に入れる人がいるのはうなずける。

田中良紹(よしつぐ)『裏支配―今明かされる田中角栄の真実』(2003年 廣済堂出版)をようやく最後まで読む。著者は、1945年仙台市生、慶応大学経済学部卒 ㈱東京放送(TBS)入社、ドキュメンタリー、番組ディレクター、1991年退社、国会TVの推進。
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2006/09/post.html
田中角栄の言葉とかのドキュメントを読みながら(彼がなくなったあと小泉政治の途中までが一連の糸で結ばれて)、いまにいたる小沢一郎の脱田中角栄化の過程と親田中角栄的手法とのミックスのことなどをダブらせたりしてしまう。
新聞社がテレビ局(キー局だけではなく、地方局まで)を系列化するところなど今に通じる日本のマスコミの癌が政治ドキュメントから浮き彫りになるのもまた興味深い。
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by kogure613 | 2010-05-06 23:35 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

こぐれのぶお・小暮宣雄 写真は春江おばあちゃんと・サボテンの花嬉しく 


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