小林孝亘展、ピッコロ劇団『女狐』、bug four
2005年 01月 18日
誘惑はいつも買っていた自販機。ピッコロシアターの帰りはいつもここにお世話になっていた。いまは、自動販売機の存在自体がよくないなあと気になる。
朝、卒業研究についてのメモを作ってから、大阪成蹊大学芸術学部へ。
『小林孝亘展-絵のうしろ』space B。綜合芸術研究センターの塩田京子さんがいて、この展示は学生にとてもいいでしょうねと話しかける。小林孝亘によるデッサンや、デッサンのための模型みたいなものも2階にあるのが大学内ギャラリーらしい。タクシーやトラックの後ろ姿がいとおしい。
寝ている男の子、女の子。入れ物と箸。
初期の作品であるモノクロの水飲み場。すべてが、つるっとした表情をしている。表面しかないような世界につけられた逆説的な展覧会のタイトルが、また深く考えさせてくれる。
いや、作者の内面とか深層を探るような近代美学的なテーマ詮索をしようというのではない。表層のなかに揺らぐ光、視線。どこにもあってどこにもない、水の変化に似て。その人間もその他の物象も同じ地平にあって。どこまでも、そこにあるしかない、不確かなもののままで。
最後の授業、2/1に補講で最終テスト。この前見せられなかったNHKのコンテンポラリーダンス紹介(いまどき一番)を見せ、MONO『京都11区』を鑑賞する。人があってまちがある、というフレーズとか、何度聞いてもぐっとくる。劇団四季しか演劇はみたことがなかったとか、コメントも予想通り。
ピッコロシアター中ホール、兵庫県立ピッコロ劇団『播磨灘版女狐』作・演出:岡部耕大。フラメンコギターが生で聞こえるのもお得な感じ。踊りは女優さんがするので、少しだし特にそれ自体みせようとするものではないが(和服の女狐まで踊るのが少し新鮮ですね)、新派的なかぶく大仰な演技にマッチしてまた楽しい。
19時~20時38分。時間がコンパクトだったのも原因しているし、スター女優とかがいない公立劇団故に、一抹の寂しさ(「待ってました」という感じはない)はあるものの、健気に練習しているなあと言う安心感と心地よさを感じながら帰る。昭和59年から60年、バブルまっさかり。播磨灘沖飛行場設置云々の話など、いまの兵庫県行政とも関わっているが、近松門左衛門と同じく、時代が遡るのであまり問題がないように設定されている。とはいえ、いまでもずいぶん気になる内容だとは思う。
東西線から京阪に移る階段で、クラリネット(瀬戸信行)やトロンボーン(三原智行)、バンジョー(小林寛行)、パーカッション(池田安友子)の音。おっと、またフレイレフジャンボリーだと思っていくと、案の定。たまたまですよね、とリーダーの瀬戸さん。でも、たまたま、出会うということは、彼らはよく路上にでている故のことだ。すごい。
掲げている看板をよく見ると、見慣れない「bug four」というもの。4人のメンバーがこのグループ名で、カリブのビギンやラグタイム、古いジャズ、ポルカにタンゴをするらしい。1/28は行けないが、3/16、レインドッグは行けたら行きたいなとチラシをもらって思う。
池田安友子さんって、昨年京都橘女子大学に来ていただいた(タフ4で)三田村管打団?のメンバーだったので、すぐに会釈されたのだ。そうか。HPを見せてもらうと、現代音楽をしたり、いろいろ忙しそうだ。ホテルのディナーショーにも出ている。