off note 磔磔 小暮はな
2005年 01月 27日
一日中入試の採点。化学はすぐに終わるが英語は延々。去年の3倍以上の受験生だったので、なかなか終わらない。
慌てて磔磔へ。
でも、小暮はなはラストだったので、ほっとする(隣にいた中沢さんが、後半始まったとき、はなちゃん、今日は歌わないのですか?と聴いたが、確かに最後というのは知らなかった)。トマトジュース。前半は薄花葉っぱと水晶。水晶(みあき)さんは、はじめてウクレレに電線をつないでいた。彼女の歌が、とてもスケールが大きくなった印象がする。バックも豪勢だし、より広い活躍の舞台がもうすぐ彼女を待っている予感がした。
休憩後、low fish。ベースの船戸博史を中心に、チューバやグレイトバスリコーダー(バスリコーダーと書いていたら、はなが教えてくれた)の関島岳郎、サックスやドラムの中尾勘二のトリオ。東山、魚の木、旅の疲れ、low fishなど。メロディーがときおり聞こえ気持ちがよくなる。そのあと、ゲストの渡辺勝のピアノ&ボーカルで3曲。懐かしい歌もあった。
そして、小暮はな。6曲。「まぼろし」はソロ。あとは関島岳郎と一緒。彼は、「少年」のときは、グレイトバスリコーダー、「鳥と飛行機」は鍵盤ハーモニカ、「かくれんぼしましょう」(新曲、まだ歌いこむ必要アリ)のときは確かグレイトバスリコーダー、「海の真ん中」は鍵盤ハーモニカ、ラストの「空に雪がふっている」は、グレイトバスリコーダーにて。ラストの曲はいままでとあまり変わらずに歌うが、あとは、かなりギターの音も少なくして、独特の表現へと向かおうとするもの。女房とぼくとしては、いままでよりも、かっこいいなあと思ったが、どうだっただろう。
4曲目、新曲「かくれんぼしましょう」。
かくれんぼしましょう かくれんぼしましょう
この指止まって この指止まって 誰が止まるか ……
歌詞を見て、懐かしく甘い情景を想像していたら、違いました。
限りなくうたから独立して、不安げな音型を繰り返すギター。シューベルトの「まち(Die Stadt)」(歌曲集『白鳥の歌』の中の一曲)のピアノ伴奏のよう。はなさんのギターが、うたの伴奏を止め、絵画を描き始めました。
家に帰って、『日本民俗大辞典』の「神隠し」の項を引いてみました。柳田國男の『遠野物語』には、猟師が、山中で行方不明になっていた村の娘と出会い、山の異人にさらわれた経緯を聞いた話しが紹介されていること、連れ去られる際に、空中を飛翔したという体験談が、各地に残されていることが書いてありました。
終盤の高揚、落着いて聴けません。娘の魂が、本当に「空中を飛翔」します。
民俗学よりも、本当の民俗を、うたってしまっている。血の出るようなうた。