人気ブログランキング | 話題のタグを見る

糾『とおとし』とシュパーリンガーを迎えて[extension]

断酒暦54日。
ストレスが少し増しているのだろう、朝4時ごろに眼が覚めていて、それから眠れない。頭痛が徐々に明確になっている。風邪ではない。なにかと気が弱くなっているみたいだ。

13時から京都芸術センターにて、糾~あなざい~第16回公演『とおとし』(作・演出:芳崎洋子)を見て、そのあと、京都ドイツ文化センターで1時間に及ぶマティアス・シュパーリンガー作曲『extension』を聞く。演奏はバイオリン:辺見康孝、ピアノ:大井浩明。なかなか充実した1日。ただ、少し忙しいので、今回はどちらも書くことはパス。

でも、後者は体が浮遊するぐらいに、バイオリンの弦から出る瞬発力とこすり音の落差がぼくを捕らえた。もちろん、ピアノ線へのアグレッシブな玉ころがしピックにもしびれる。ぼくは、こういう現代音楽に眼がない(耳がない)のだと再確認する。弓の宙をよぎるおととサイレンみたいに響く音、擦れる音にも多様性。布で拭いたり、上着を脱いだり。小さい音は無限である。大きい音には限度があるが、小ささには果てがない。奇妙な逆転がそこにはある。

お芝居の方は、震災で亡くなった人たちが10年の眠りのあと1週間だけ何か一つしたいことをしているというスタティックなスケッチ。生者が10年前の彼らを思い出したときだけランプが点り、その思い出した生者の姿を子どもプールでかいま見られるというもの。ラストに謎を残す。いささか少女マンガの趣きあり。シンメトリーでプールの休憩所みたいな設定の意味はなんだろう。むなしさと忘却、あきらめとしずかさと。
by kogure613 | 2005-02-27 20:43 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

こぐれのぶお・小暮宣雄 写真は春江おばあちゃんと・サボテンの花嬉しく 


by kogurenob