人気ブログランキング | 話題のタグを見る

小林秀雄「蛸の自殺」、加藤秀俊他『明治・大正・昭和 世相史』

2014/6/30(月)

朝、小林秀雄の処女小説「蛸の自殺」(1922年、20歳)を読む。

山科大正村構想に関係ある部分はここ。京都の伯父が、山科にその直後移住する西村精一郎にあたる。

<「家に持って帰る」と京都の伯父が赭(あか)い壺からお骨を半紙に移すのを身慄(みぶる)いした事、葬式の済んだ晩、母と妹と三人で黙りこくって・・>p18-19 『小林秀雄全作品1 様々な意匠』(新潮社、2002年)。

私小説風で、蛸の自殺というテーマだったので、志賀直哉の「城の崎にて」を思い出させつつ、ちょっと気取った感覚派エッセイみたいなもの。鎌倉の浜。夜に、どこかの新聞社主宰の海浜博覧会を主人公(謙吉)が冷やかすところがあり、「舞台の上では、皺だらけの白装束の神主と、赤い褌を出したちょん髷の馬鹿が踊って」、「おん馬鹿様―見しょうかあ―」「おん馬鹿様―見たい―」とよく通るセリフを言っている描写がある。下流文化として主人公は見下したかたちで記述しているが、日蓮主義青年団の演説の声が通らず、声だけは神主の方が上だと言う。

加藤秀俊他『明治・大正・昭和 世相史』(社会思想社、1967年)より、大正131924)年のところを眺める。翌年4/22に治安維持法公布(5/1に実施)なので、2/21に治安維持法反対労働団体大会が東京で開かれたりしている。6/13築地小劇場会場、8/1甲子園級上竣工、11/12全国学生軍事教育反対同盟結成、11/29東京放送局設立(翌年7/12に東京放送局JOAKはじまる)。

日付はないが、宝塚少女家劇管弦楽団、日本初の定期演奏会を行なう。『キネマ旬報』民間最初の映画選奨をはじめる。ベートーベン「第九交響曲」初演・・・

<流行>

「籠の鳥」「ストトン節」「月は無情」。「文化」という言葉が流行したという。文化生活文化何なにとよく使われたということ。当時の文化生活とは、郊外の一戸建てやアパート生活。月給取りが文化的な職業。台所の近代化。安物の新製品にも文化カミソリ、文化せんべい、文化ナベとかつけられて売られる。

最近では珍しく、2時に目が覚めて、そこから眠り直せず。

2回生ゼミ生のメールで回答してきたものを、文書化することにする(14名が対応してくれていて、一人はあまりにもいっぱいやりとりしていたためか、抜けてしまい、ゼミ直前に別紙で配布)。

卒業研究までに、リサーチ・クエスチョンとは何か、何を書けば論文になるのか、文献をどうしたらうまく探すことができるのか、本を読む習慣をどうしたらつけることができるのか、と互いに模索することになるんだろうなあ。

3回ゼミ生のテーマのなかでは、ファッションショーが面白そうなのだが、ファッションの社会学はあるが、ファッションショーのイベント学的、あるいは、芸術営的考察をどのようにすればいいか、先例は少ないのかどうか、まずそこから。


Commented by skuna@docomo.ne.jp at 2014-07-02 02:32 x
えっとこちらのブログすごいびっくりして…

なんだか自分のことを言い当てられてる気がするくらい、思わずブックマークしちゃいました!

共感もしたし、本当にウチの中で大切なことが書き込まれてるブログだと思ったんです。こんなにも素敵なブログを書く方ってどんなひとなんだろう?って思って

興味津々で初めて書き込みさせてもらいました!

なのでできれば直接お話ししたいと思って、名前の部分にウチの連絡を入れておいたのでよかったら連絡してくださいね。待っていますです!

※もし面倒ならこの書き込みも抹消しちゃって構わないので気にせずにお願いします。

いっぱいお話ししたいことだらけです!
Commented at 2014-07-02 10:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by kogure613 | 2014-06-30 18:38 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(2)

こぐれのぶお・小暮宣雄 写真は春江おばあちゃんと・サボテンの花嬉しく 


by kogurenob