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アルフォンソ・キュアロン『大いなる遺産』 松本清張『駅路』

2016/4/23(土)
たぶん、ロバート・デ・ニーロ関連で買っていたDVD、アルフォンソ・キュアロン『大いなる遺産』(1998年、110分、20世紀フォックス)を楽しむ。現代アートの売買の世界が後半では中心なので特に自分は楽しめる。
オープニングクレジットの文字がユラユラ。子供の絵スケッチとの相性が気持ちよい。やはりOPクレジットって大事だなあ。これを専門にする人がいる(いた?)って前聞いてことがあったな。

廃墟になりつつある大御殿。噴水の水を一緒に飲む少女、踊る老女。家族が不幸な猟師の子。そして、脱獄犯・・・どきどき、ウキウキ。切なくなったり。
ニューヨークが現代アート画廊の中心であった時代、ロフトが広いな、雨、慈善パーティ。無法地帯の地下鉄・・

<原作はチャールズ・ディケンズの小説『大いなる遺産』であり、1946年のデヴィッド・リーン版に次いで2度目の劇場映画化である。
映画化するにあたって、舞台がアメリカ合衆国に変更されている。>
フィネガン〈フィン〉・ベル:イーサン・ホーク
エステラ :グウィネス・パルトロー
ディンズムア夫人:アン・バンクロフト
脱獄囚/アーサー・ラスティグ:ロバート・デ・ニーロ
10歳のフィネガン:ジェームズ・キスナー
10歳のエステラ:ラクエル・ボーディン

学生部長としての校務のため、大学へ(2回、清優館A-201教室で挨拶する)。
途中、椥辻駅(出口が2つ)で少しだけお手伝い。天気がよくて無事でよかった(学外まちあるき)。職員さんらが大きくなった筍を掘っていた。

いつもかばんには新書などの評論物と、だいたい帰りに読む小説の文庫を入れている。藤沢周平さんをすべて読んでしまって、何を読むとのんびり帰られるかなと思っていろいろ試しているが、松本清張さんがそのなかでは読みやすい面で一番かも。短編集は特に助かる。

松本清張『駅路』(新潮文庫、1965年)。このなかでは「偶数」が一番面白かったかも。「ある小官僚の抹殺」も政治行政の闇関連で社会派の面目躍如。

アマゾンの書評投稿者 A-san 投稿日 2010/4/11 より:
<◎白い闇:信子の夫の精一が失踪した。精一の従兄である俊吉に相談する。俊吉は重大な情報を信子に漏らす。それに基づき信子は行動する。俊吉も協力する。最後まで犯人はどちらかわからない傑作。
◎捜査圏外の条件:一流銀行に勤める主人公の妹光子が失踪した。死亡がすぐ確認されたが、どうやら男と二人連れでの投宿中に狭心症の発作を起こして亡くなったらしい。そこから、主人公の犯人に対する長い時間をかけての復讐が始まる。最後まで飽きずに読ませる傑作。
◎ある小官僚の抹殺:捜査線上に浮かぶエリート官僚が、熱海の旅館で自殺した。これで、汚職事件の捜査は完全に崩壊する。事件の数年後、興味を持った主人公が自殺の真相を追いかける話。通常の推理小説とは異なった趣が作品を特徴づけている。
◎巻頭句の女:俳句雑誌の前途有望な投稿者が亡くなった。素人による執拗な追跡が事件を解明する。わずかな「不可解さ」がその背後にある事件を浮き立たせていた。
◎駅路(えきろ):銀行の営業部長を定年で退職した小塚が行方不明になった。趣味であるカメラと旅行が残した写真から刑事はある一つの推測を行う。女っ気が全くない小塚には、実は秘密があった。刑事の職業的カンに脱帽させられる短編。
◎誤差:警察嘱託医の死亡推定時間と解剖医のそれが1・2時間ずれている。この差が事件に決定的な影響を与えるという話。思い込みの嘘を事件にはめこんだ傑作。
◎薄化粧の男:妾のいる男が殺される。複雑な婦人関係から妻も妾も洗われるが、結局物盗りの強盗説で捜査は40日で解散。ところが、2年後に真犯人は馬脚を現す。わずかな言動が致命的な証拠となり得ることを知る。
◎偶数:犯人は目の上のたんこぶである嫌な上司に殺意を抱き実行する。「必ず茶碗は五個でなければならない」という妻の何気ない一言。伏兵のちょっとした機転。完全犯罪はもろくも崩れ去った。一番の傑作。
◎陸行水行:邪馬台国のロマンを推理小説に織り込んだ力作。>


by kogure613 | 2016-04-23 22:37 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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