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小俣和一郎『精神医学とナチズム―裁かれるユング、ハイデガー』

2016/7/26(火)
公共政策入門も15回で終了。
金曜日に終わったアーツマネジメント論の採点を空き時間にする。

読んだ新書、小俣和一郎『精神医学とナチズム―裁かれるユング、ハイデガー』講談社現代新書、1997年。ユングについては、ユング派からの反論があるようだ。
両方の説を比較する研究があれば読みたいものだ。

日本の話もあったので、そこを抜書き。
なお、安部英と密接な関係にあったという内藤良一は、中国各地の防疫舞台に出張させ人体実験の機会を常時提供する嘱託研究員制度の中心にいた人(軍医大佐)。のちに薬害エイズ事件の一端をになう株式会社「ミドリ十字」の創業者
p172
<日本の厚生省は、1938年内務省衛生局が独立するかたちで成立したが、その最初の仕事は前述の国民優生法の起草であり、実質上の初代厚生大臣は化学戦(毒ガス戦)の生みの親である小泉親彦(東条内閣)であった。発足当初からのこのような厚生省の人命軽視の体質が、戦後の薬害エイズ事件における意図的情報操作(情報隠し)や血友病エイズ感染者への人権無視の態度へとつながっていることは否定できないであろう。
<非加熱製剤の危険性を十分に認識しながら、まるで「人体実験」のようにその投与を続け、エイズ感染を記録して学会誌に発表し続けた安部英(たけし)は、戦時中海軍軍医であったといわれるが、少なくとも戦後は内藤良一と密接な関係にあった。>

by kogure613 | 2016-07-26 23:22 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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