烏丸ストロークロック×庭ヶ月 共同連作「『凪の砦』総収編」アトリエ劇研

2017/2/9(木)

アトリエ劇研へ。18時半受付、1845分開場、19時すぎ開演。烏丸ストロークロック×庭ヶ月 共同連作『凪の砦』総収編」。2039まで。100分ということだったが、少し短かったかも。満席。

正面に大きな塀。建物であるとともに、自然と向かい合う人間界の境。あるいは、生と死のハザマ。落ち葉。中に折りたたみ椅子が埋もれているのが上手い。落ち葉のところが外と建物をつなぐ径路。そのなかが演技空間。

いままで4回ほどの短編を纏める。これはあったなあとか、あれはなかったなあ(例えば、骨を砕くシーンやお神楽の練習シーンなど心に残っているものも結構あったなあ・・)と思いつつ、なるほど、こういう枠(回想と現実が入り交じるものを入れる容器)を作ったのかと、福祉の財団の男(この男もあるときは、利用者さんの身体になる)を案内する初めとラストを眺める。

複式夢幻能か。福祉財団の男はお経も唱えることもできるので、まるで、お能のワキの旅の僧のよう。かれは観客の代理のようなワキとして物語を眺める。ただ、シテは、三ツ山養生所の所長や職員さんかというとそれだけでもないと思う。つまり、いつも語られるターミナルケアされている利用者さんが本当の主役なのではないか。そして、2階にいる利用者さんに右往左往するスタッフもまた不在の家族との関係が現れて。

劇団庭ヶ月はいままでの劇団的ハイアラーキー(主宰、演出を頂点とする形)とは違うコミュニティ活動から生まれ育っているというアフタートークを聞きながら、多分、この物語も自分たちのコミュニティへの演劇的な応答なのだろうな。

所長夫婦が、過去(東日本大震災当時)、宗教布教アウトリーチのために「ヨシエ」さんと交流するシーンはじめ、阪本麻紀さんがいつも以上に急迫する演技で迫り、今までよりも、そのテンションが引き締まる感じがする。これもお能的な序破急のテンションなのかも。

岡村里香さんは体調不良のため京都公演は降板。どのように調整したんだろう?



【タイトル】烏丸ストロークロック×庭ヶ月 共同連作『凪の砦』総収編

【作・演出】柳沼昭徳 

【音楽・演奏】山崎昭典

【出演】阪本麻紀 西村貴治 たなべ勝也

 生坂美由紀 岡村里香 角谷明子 澤雅展 図師久美子 長谷川直紀 柳泰葉

<本作品は当団体と、劇団庭ヶ月とが、現代の死生観をテーマに『凪の砦』シリーズとして、共通の舞台設定と登場人物によって、2016年3月より連作した5つの短編作品を、柳沼の脚本・演出で新たなエピソードを加え総集編として再編する作品です。
 今回、本団体と共同で創作を行ってきた庭ヶ月は、柳沼が各地の市民演劇やワークショップ公演の現場において実践してきた、集団創作の効果を活かし、個々が主体となり対話の積み重ねによって作品を生み出してゆく創作方法を深めるべく、地域や世代の異なるアマチュア演劇人たちに呼びかけ、2014年から3年の時間をかけて築き上げた、従来の劇作家や演出家主導にはない集団性と作品性を持った団体です。
 本作品は、2020年東京五輪のあと。人口減少による経済縮小と社会保障制度の崩壊に見舞われた近未来の日本社会を背景に、退廃した地方都市に開かれた身寄りのない低所得者向けのホスピス施設「三ツ山養生所(以下「養生所」)」を舞台としています。物語では、養生所で働くスタッフたちに焦点をあて、あの世へと旅立っていった入所者たちとの思い出と、入所者たちの語り遺した太平洋戦争、戦後、高度経済成長、バブル崩壊、東日本大震災といった出来事の記憶を元に、これまでの日本のあゆみと、そこに生きた人びとの人生を辿っていきます。
 東日本大震災以降、終活など「死に方」への感心が高まる中、誰もが直面し得るこのテーマに向き合った本作品の鑑賞を通して、人間らしい生き方とは何か、また、それを全うできる社会とは何かを考える機会にしていただければと考えています。>

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by kogure613 | 2017-02-09 22:30 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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