桐野夏生『白蛇教異端審問』
2017年 03月 27日
2017/3/27(月)
いま読んでいる桐野夏生のエッセイ集『白蛇教異端審問』文春文庫、2008年。もちろん一番気になって読んだのは日記。まあ、日記とは何かと思いつつブログを自分も書いているからだけど。
直木賞発表前後のこととか、すごい作家も結構普通の人だよねとか思いつつ、でもそのエッセイにも鋭い棘がある。
お年玉という風習がない一家のこと、書評、中国のおトイレ事情、韓国取材。
ああ、玉蘭はこうしてできたのかとか、裁判の傍聴など小説の裏側が垣間見られる。おお映画のメイキングビデオが面白いのと同じだし、そのためには本体の映画が面白いからでもある。
少しずつオフからオンへ。
でも、まだ大学に行くのは重役出勤である。
ここは鴨川の十条。風が冷たすぎる。外国人カップルが通り過ぎる。
鳥が歌う。鳥羽街道駅から山科急行バスの新しい停留所。吹きさらしの十条相深町。
4月からの新しい先生二人を迎えた都市環境デザイン学科建築インテリアコースの打ち合わせに、かってに途中から入る。発見が多い。
授業の準備のためのクイズがだいぶんできる。
[劇場文化論クイズ]
以下の文章について、◯か☓かによって答えてください。ただし、ときにどちらでもないとかどちらともいえるがあるので、その場合だけ△をつけてください。☓の場合は正しく訂正できればしてください。
例 ✖ 0)東京都には、実演芸術を主に上演する国の劇場として、国立劇場、新国立劇場、国立文楽劇場などがある。
国立文楽劇場☓⇒◯国立能楽堂 (なお、国立文楽劇場は大阪市にあるのでこれを削除でも可)
1) 劇場で上演される芸術のことを「実演芸術」と呼ぶが、これは英語の「パフォーミングアーツ」のことである。
2) 実演芸術には、音楽、演劇、映画、伝統芸能、演芸が含まれる。
3) 演劇を鑑賞する所としては、専門の劇場のほか、地方自治体が設置する文化ホールなどが挙げられる。
4) 日本にはバレエやコンテンポラリーダンスの専門の劇場やホールは存在しない。
5) ミュージカルは、「ミュージカルプレイ」の略であるので、演劇の一種とも言える。
6) 演劇などを上演する場を「◯◯劇場」と呼んだのは、明治時代からである。
7) 劇場を活性化する法律は日本ではいまだ制定されていない。
8) 戦前(1945年以前)には、観覧税(地方税)や入場税(国税)として、観劇料金に税金がかかっていたが、日本国憲法制定時に入場税は廃止された。
9) 吉本興業株式会社の創業は、1912年に大阪天満宮近くの寄席小屋「第二文芸館」を買収した時からとされているが、当初は「興業」ではなく、「吉本興行(部)」(1915年)と言っていた。
10) いまは芝居といえば、演劇のことで劇場という意味ではないが、江戸時代までは、芝居小屋(劇場)のことを指すことが多かった。
11) 滋賀県には県立のびわ湖ホールという劇場・音楽堂があるが、大阪府にも京都府にも府立の劇場・音楽堂は存在しない。
12) 「文化」という概念は、物質的な発達、すなわち技術や機械、社会制度を含む「文明」とは違い、精神的な意味を示している。
13) 古代ギリシャの劇場には、オルケストラと呼ばれる円形の舞台(ローマになると半円)があり、そこでコロスと呼ばれる合唱隊(踊ったりもする)が活躍した。英語のオーケストラはこのオルケストラが語源であり、コーラスはこのコロスが語源である。
14) 宝塚歌劇団は、宝塚温泉の室内プールを改造したパラダイス劇場から出発したが、1914年当初から小林一三は、現在まで続くミュージカル(歌芝居)とレヴュー(ショー)の二本立ての興行を企画し実行した。
15) シェークスピア演劇を多く公演したロンドンのグローブ座の平土間の観客は、雨が降ったら濡れるしかなかったと言われていて、これは室町時代や江戸時代の能狂言公演も同じであったということができる。
16) イギリスでは早くから演劇による更生プログラムの一環としてワークショップを刑務所や少年院でやっていて、日本で文化庁が誕生した1960年代から、イギリスにならった演劇ワークショップを主に少年院に取り入れてきた。
17) 日本では教育を所管する文部科学省の外局として文化庁が設置されているが、フランスや韓国では、文化行政と教育行政は異なる省によって所管されている。
18) 劇場や文化ホールの職員は、美術館の学芸員(博物館法第5条による国家資格で文部科学省所管)と同じく、国家資格として劇場管理者資格があり、毎年試験が行われている。
19) 劇場などの音響スタッフの国家資格としては、厚生労働省所管の「技能検定・舞台機構調整(音響機構調整作業)」がある。
20) 劇場などの照明スタッフの国家資格としては、経済産業省所管の「照明技術者技能認定」があるが、かつては、公益社団法人日本照明家協会による資格制度であった。