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サファリ・P第三回公演『財産没収』アトリエ劇研

2017/8/17(木)

アトリエ劇研という小劇場で演劇を鑑賞するのは最後となる。31日のクロージングにはぜひ足を伸ばしたい。ここ(当時は、アートスペース無門館)を初めて訪れたのは、橋本敏子さんらに委託していた調査でだった(1993年ぐらいか)。北大路からタクシーに乗り遠藤寿美子さんにインタビューした。遠藤さんが、熊倉夫妻を絶賛していた。まだ、事務室は普通の家だったな。


セゾン文化財団ニュースレター第77号(viewpoint)の特集「不在/亡霊の演劇」で、夢幻能と3.11以降の演劇との共通性、さらに観劇と幽霊を見ることの相同性が語られていた(http://www.saison.or.jp/viewpoint/01.html)。

それを頭に置くと、少し抽象的、実験的演劇に阻害されないで楽しむことができるなと、今日観た、サファリ・P第三回公演『財産没収』(作:テネシー・ウイリアムズ、翻訳:倉橋健、演出:山口茜。出演:高杉征司、松本成弘、松尾恵美)でその見方をしてみた。15時5分ぐらいから40分、そのあと山口さんと高杉さん、そして積極的な鑑賞者との対話、15:08まで。


面白かったのは貸し出された『財産没収』の戯曲(縦書きなのに横書きのとじ方だったな)。ちょっとだけ読んで、劇場に入る時返したので、ほとんど忘れてしまったが、その戯曲と実際の登場人物の差、でも、台詞は同じなので、混乱した鑑賞者もいたとあとのトークで分かった。

私はといえば、烏丸ストロークロックの阪本さんと新しくメンバーになった澤さんとおしゃべりしていて、どのような移し替え(「だまし絵化」)をしていたとかは、お芝居を観ながら、ぼんやり浮かびだしてきただけだった。

でも、姉役の松尾恵美さんが、能舞台でのシテのように動き、台詞もあるが、声のいい高杉さんが語る人との対照という古典芸能の見立てもできそう。まあ、高杉さんがだいたいテネシー自身だろうと分かってくる。でも、高杉さんが書いているのが、財産没収のサインかも?とかまだちゃんと分かっていない時があった(ラストでようやく明確に)。あとでちゃんと戯曲を図書館でかりてでも読めばもっと面白くなるかも。ダンサーの松本成弘さんは最近よく目にする。身体的特徴故に、男肉ドソレイユのちゃんさんとともに目立つ存在。最後のダンスのキレはやっぱり目を引く。

人形が、ヒトガタでもあり、亡霊のもう一つの影に見えた。四人が舞台にいる瞬間が何度かあって、人形と俳優との関係もまた面白いなと、多義的な鑑賞を勝手にして帰る。


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by kogure613 | 2017-08-17 21:46 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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