大島幹雄『虚業成れり』

2017/9/5(火)

久しぶりの部長会。

校務も平常運転になるが、まだまだ夏の余韻。

読み終わっていた本。大島幹雄『虚業成れり』。

アーツマネジメント研究のなかの「興行」「イベント」「鑑賞」部門の主体領域。

招聘(しょうへい)という単語がよく使われる。赤ゲットとか椀飯振舞(おうばんふるまい 大判振舞の元)とか、結構知らなくてチェック。


音楽事務所と芸能プロモーターとの関係は見えないけれど、イベンター、呼び屋、興行師という時代が生き生きと描かれる。

大島幹雄『虚業成れり「呼び屋」神彰の生涯』岩波書店、2004年。

<昭和29年秋,東京.ふと口ずさんだロシア民謡からすべては始まった.何ももたない青年がドン・コザック合唱団の来日を実現し,ボリショイバレエ,レニングラード・フィルなど「幻」と思われたアーティストを次々と招聘して旋風を巻き起こす.栄光,破産,そして居酒屋経営での再起.「戦後の奇跡」神彰(じんあきら)の波瀾の生涯を描く。>

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R130P1BWKMVJC/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4000225316

<神彰(じん あきら),有吉佐和子の元旦那にして,居酒屋チェーン「北の家族」の元オーナー.しかしてその実体は,「呼び屋」.即ち,海外から楽団やらサーカスを招き,国内で興行を行う興行師,プロモーターの元祖.昭和30年代から40年代にかけ,まさに飛ぶ鳥を落とす勢いであるが興行に失敗し破産,そして離婚.その後,居酒屋チェーンを興し,株式公開.その波乱万丈の生涯を多数の関係者への取材をもとに,思わず「へぇー」と唸るエピソードを数々交え,テンポのいい語り口で再現する出色の一冊>


【参考】

株式会社キョードー東京

1953年に永島達司がプロモート会社として「新々プロダクション」を設立、翌1954年に内野二朗が経理担当として入社。以来、日本人歌手のマネジメントと並行して海外のアーティストを招聘してプロモートを行う。1957年には社名を「和栄プロダクション」へ、次いで「協同企画」へ変更。このころ嵐田三郎(現会長)が入社。

1959年からは赤坂の有名ナイトクラブニューラテンクォーターのショーのプロデュースを手掛け始め、1962年には内野が協同企画を退社し汎芸能企画事務所を設立して、ニューラテンクォーター等ナイトクラブの"仕込み"を引き受けるようになる。汎芸能企画事務所は1964年に「協同企画エージェンシー」に社名を変更。永島の協同企画と業務分担して、招聘を永島が、興業取り仕切りを内野が担当するようになる。

1965年にはモンキー・ダンスに注目し、ゴーゴークラブの先駆けとなる「ゴー・ゴー・ア・モンキー」を企画。オープニングにはザ・ベンチャーズとアストロノウツが出演し話題を呼んだ。キョードー東京は舞台美術や照明、音響効果に経費を惜しまずどんどん新しいものを取り入れていった。

1966年にはビートルズの来日公演を日本武道館で行い、マスコミの注目を集める。

1970年には「株式会社キョードー東京」に社名変更し、「ロック・カーニバル」シリーズを企画。>

http://deracine.fool.jp/biography/jin/z_biography/biography0513.htm

< 五木寛之が書いた小説に、この三人をモデルにした『梟雄たち』(『男だけの世界』所収)と題された短編がある。

 これは進駐軍時代から興行の世界に足を踏み入れ、当時の占領軍に強固なコネクションをつくった永島(小説のなかでは冴田哲也)、独力で世界でも一流といわれる白系ロシア人の大合唱団を呼び、一躍ジャーナリズムの脚光を浴びた神(岩森徹)、ラテン音楽の成功のあとリンボーダンスという際物で一山あてる樋口(円城徳義)、という三人の呼び屋の生き方の違いを浮き彫りにしたものである。

 この小説のなかでは、永島は控えめで、冷静な紳士、抜け目のないビジネスマン、「着実にこつこつと仕事をしながら、自分がひっそりと影の部分に身をひそめている」人物として描かれ、樋口は、粗暴ななかにもぎらぎらとして闘志をおもてに出した、「呼び屋の仕事を、はっきりと虚業と割り切り、あけすけなインチキでも平気でやろうとする」泥臭い人間として描かれている。神の人間像はというと、ほかのふたりと比べて、いささか精彩を欠いている。ソ連という権力や政治と裏でつながっているところだけがクローズアップされ、「背後に、得体の知れない深い森のような国家権力の影」をひく男、政治とどこかで結びついている影の部分だけが、強調されすぎた感がある。>

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by kogure613 | 2017-09-05 22:02 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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