「惑星ノマ」ボーダレス・アートミュージアムNO-MA@近江八幡市

2017/9/8(金)

秋のNO-MA。春の企画展に行けなかったこともあり、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAのある近江八幡には久しぶりである。

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展覧会鑑賞の帰りに今年の3月にできたという「GoingNuts!」というお店を覗いた。ここは一度だけ、公募展の審査会場として入ったことのあるアンドリュース記念館の2階。普通は閉まっている所だったわけで、まちの魅力が一つ増えたことにもなる。

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<アンドリュース記念館・・・・ウィリアム・メレル・ヴォーリズがハーバード・アンドリュースの資金を用いて設計した。まず1907年にヴォーリズの処女作近江八幡YMCA会館が竣工し、1935年に2代目の会館として別の位置に改築されたものである。デザインは初代会館のイメージを踏襲しているとされる。ヴォーリズ設計の他の建物と共に、20098月、国の登録有形文化財に登録された。

さて、NO-MAの秋の展覧会は「惑星ノマ」。結構さっぱりとした企画ではあるなとまず思う。展示空間もノマだけだし。

そして、そのチラシはヘタウマ系。時空の歪み、発射光線が旭日旗みたいに白く広がってそこに場所や日時、料金などが書いてある。

絵柄としては、ミサイルみたいな、ドラム缶をつないだようなものがあって、初老のメガネのおじさんがどーんといる。あとはUFOの埴輪(風)とか、お地蔵さんのおびただしい顔、クレヨン画や車無数のコラージュ、現代アートなのだろうが、本当に境界性がもうかすんで宇宙に行っちゃっている作品とかが見えない部分も含めてあって、展覧会をみたあとようやくチラシのことが幾分理解できるというもの。

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でも、なかなかに興味深い6名の作家による展示であった。入るとすぐに、土屋正彦(1946~、千葉県在住)ワールドが待っている。静謐な中の宇宙の物語。精神科病院での長い入院生活で書き綴られたものだという。ロマンティックなシーン、自画像的な登場人物。現実の駅もメガロニューム星人がいる惑星も同じように生息している。修正液の白をふんだんに使っていることで、クレヨンの優しさとあいまって、その色調の穏やかさが目立ち、でもそこに潜む熱い空想との対照がまた格別の気持ちになってくる。

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NO-MAの通常の展覧会では、1階フロアで、障害者作品の隣には障害のある人の作品ではない展示となる。今回も多分そういうことなのだが、横浜の宮間英次郎さん(2006年、快走老人録で紹介された)的な世界なので、アールブリュットとして考えられる作家だろうと思う。

河原田謙(1947~、茨城県在住)による「ケネディー電気」の町並みというか景観と言うか、基地というかの世界。写真でしか見られないが行くとすごいのだろう。電化製品の修理業をしつつ、とんでもなく飛んだ発明や巨大ロケットが、のどかな畦道に出現するのだという。張り紙の言葉も境界アートのニオイがプンプン。

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ああ、ボーダレスの進化やなあと思いつつ、中庭の蔵へ。川埜龍三(1976~、岡山県在住)『さいたまB』の埴輪と発掘現場の写真。考古学者さんかと思いきや、それは川埜にとっては仮想(B)の世界であり、川埜の現実(A)は、彫刻家なのだという。「犀の角がもう少し

現実であるべき考古発掘の埴輪と、彫刻という芸術フィクションの創作物。ところが、作者はそのリアルとノンリアルが逆転している面白さ。ただ、芸術家が地域のフィクショナルな歴史を作るという試みは結構よく行なわれていて、もちろん興味深いものではあるが、それが埴輪の模型か埴輪風彫刻なのかと悩ませ面白がらせるところが味わいなのだろう。

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具志堅誉(1998~、那珂川県在住)。一番若い作家。

中古車情報誌の車やタイヤを無数に組み合わせて、コラージュによって、大きな木や人を創っていく。無機質が連結して有機物になってしまうというのは、中世の錬金術師じゃないかという感じの解説に納得してしまう。オパーリンの「生命」仮説。

同じ景色の朝と昼、夜の描き分けにもすごい力を感じる。彫刻表面も見事。

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そして隣が、設楽陸(1985~、愛知県在住)の立体物(これは小さく棚にならんだりしている)と大きな平面絵画。現代美術家ということは一応理解しつつも、ほとんど、具志堅との流れて、比較していることもあり、ここにもボーダレスなことが自然なんやというほっとする思いが続く。彼が小学生時代に大量に綴った素晴らしい妄想力と絵のノートたちは、アールブリュット作品ということもできるし、常に、芸術家と言うのは、自らの原点に、アールブリュットあるいは限界芸術的創発的な自由表現を持っているのだとも思ったりする。

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さて、6人目の大原菜穂子(1971~、滋賀県)。滋賀県といえば、陶芸系。彼女もその一人なのだろうが、かそけき、菜穂子地蔵のミニマムな形とスマイル、そして、増力していく力の膨大さ、宇宙の隙間に入り込んで、閉ざされていた扉の隙間を見ると、ああ、いるはいるはという感じ。座敷わらしの小型版、コロボックルとも通じる妖精性。

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11/26日まで。関連企画も夜にかけてあったりと工夫あり。是非。

・・・・ http://www.no-ma.jp/?p=15394 より引用

☆ ライブ&トーク 吉田隆一 with 田所友香理
 第一部 フリースタイルセッション「惑星から鳴る音(吉田隆一×田所友香理)」
 第二部 トーク「吉田隆一、惑星ノマを語る」
第一部は“SF+フリージャズトリオ『blacksheep』を率いる吉田隆一さんと糸賀一雄記念賞音楽祭で大活躍の田所友香理さんのセッションを、第二部では引き続き吉田さんによる惑星ノマを巡るトークをお届けします。
日 時:917日(日)
第一部:13:3014:00
出 演:吉田隆一(バリトンサックス奏者)、田所友香理(打楽器)
    Ryuichi Yoshida Official http://yoshidaryuichi.com/
第二部:14:1516:00
講 師:吉田隆一 / 聞き手:山田創(本展企画担当)
会 場:酒游舘(滋賀県近江八幡市仲屋町中6
定 員:5 0名(要予約)参加は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。

☆ 講演「宇宙人の探し方」
天体物理学者(理学博士)、日本における地球外生命体探査活動の第一線で活動する鳴沢真也さんによる、物語や都市伝説だけでない、本当の宇宙人の存在の可能性を巡る講演です。
日 時:1112日(日)13:3015:00
講 師:鳴沢真也(兵庫県立大学 理学博士)
会 場:酒游舘(近江八幡市仲屋町中21
定 員:50名(要予約)参加は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。

☆ トークショー「爆笑!星のお兄さんショー in NO-MA
ユーモアたっぷりのプラネタリウム解説が大人気の「星のお兄さん」こと、田端英樹さんの神秘的な星々を巡る爆笑トークショー。
日 時:1029()18:0019:00
会 場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
定 員:20名(要予約)参加は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。

☆ ギャラリートーク「惑星ノマ ナイトツアー」
ツアー添乗員(学芸員)の解説による、惑星ノマ ナイトツアー(ギャラリートーク)。「S(すこし)F(ふしぎ)」なNO-MAの旅をお楽しみください。
日 時:99()1021()18:3020:00NO-MA閉館後)
定 員:20名(要予約)
参加は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。

☆ 放課後NO-MAワークショップ「放課後のエイリアン」
毎週水曜日はNO-MAに集合!どんな星に住んでいるのか、どんな性格なのか、オリジナル宇宙人を考えて、作ってみましょう。
日 時:会期中毎週水曜日 15:3016:30
会 場:ボーダレス・アートミュージアムNOMA
定 員:7(予約不要)
対 象:小中学生  参加費:無料

☆ 八幡掘まつりワークショップ「なぞのオーミーハチマン星人、おまつりにあらわる!!」
NO-MAの展覧会を見た後は、オーミーハチマン星人(グレイ型)のお面を作って、そのままお祭りにとびだそう。
日 時:107日(土)、8日(日)18:0021:00
会 場:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
参加費:観覧料(予約不要) 当日は八幡堀まつりのため18時から21時は夜間特別開館(無料)です。

ご予約/お問い合わせ
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
Tel/Fax 0748-36-5018
E-mail no-ma[ at ]lake.ocn.ne.jp [ at ]@に変換してください。

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by kogure613 | 2017-09-08 18:22 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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