新世紀講談大全・神田松之丞DVD 土田英生セレクション vol.2『燕のいる駅』
2017年 09月 14日
2017/9/14(木)
校務が午後早く終わったので、購入していたDVDを2つ楽しんだ。
どちらも予想以上に面白く、特に、若い男の講談師さんはとても期待したいなと思った。
「違袖の音吉(たがそでのおときち)」はやんちゃな子供と侠客との応答がおかしく(講談でこんなに笑わせる人はなかなかいないだろうな)、「天保水滸伝鹿島の棒祭り」では古典にも対応していることが分かるし、創作講談の「グレーゾーン」も知的な今性を感じる。
講談師神田松之丞:違袖の音吉/天保水滸伝鹿島の棒祭り /グレーゾーン[講談ドキュメンタリー「新世紀講談大全」DVDシリーズ] 出版社: クエスト (2015/04)
神田松之丞KANDA MATSUNOJO 講談師
本名:古舘克彦 出身地:東京
誕生日:1983年6月4日生 出身地:東京都豊島区
所属:日本講談協会、落語芸術協会
このまえ同じシリーズのvol.1『―初恋』を楽しんだが、正直、こちらのほうがしっくりいった。その原因の一つは、随分と現在に近づけて書き直したということがあるようだ。
中島ひろ子さんは大好きな女優さんだったので、それも嬉しく、のんびり屋の駅員さんである久ヶ沢徹さんもなかなかに味わい。
土田英生セレクション vol.2『燕のいる駅』2015年、113分。近そうで遠く、遠そうで近い"いつの日かの日本"の姿を見事に描ききった、会話劇の雄、土田英生の世界。第2弾。
作・演出:土田英生
出演:酒井美紀 内田滋 千葉雅子 土屋裕一(*pnish*) 尾方宣久(MONO)/中島ひろ子/久ヶ沢徹
春、燕が巣をつくる頃─昔なつかしい日本の風景を模してつくられた「日本村四番」。そこにある駅も一昔前のローカル線の駅舎を思わせるいつもと変わらない穏やかな時間。しかし遠くの空にはパンダの形をした雲。
突然、人は消えた。理由は分からない。駅に残った人々は穏やかな景色の中でただただ待つ。これが世界の終わりなのか?
見上げる空にはパンダ雲が不気味なうねりとなってゆっくりと広がっている......。
人間関係の奥深い部分を自然な会話の中に溶かし込んでいく、その見事な会話の筆致に定評のある劇団「MONO」の土田英生が、自らが選んだ俳優たちとともに作り上げる舞台、土田英生セレクション。一昨年の星のホールで上演された「─初恋」も大評判だったこのシリーズの、今回の作品は「燕のいる駅」。
近そうで遠く、遠そうで近い"いつの日かの日本"の姿を描いた、おかしくて、そしてどこか物悲しき緊張感に包まれた、珠玉の舞台がここにあります。