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コンブリ団Re:sources『夏休みのばあちゃん家』@common cafe 貴志祐介『黒い家』

2017/9/15(金)

コンブリ団Re:sources『夏休みのばあちゃん家』、中崎町(地下鉄4番出口)すぐの common cafe(コモンカフェ)。イロリムラもちょっと行けばある。かなり昔、ここで小暮はなも月下美人(いまは、山本かな子さんの一人ユニット)のお二人と一緒に生歌したことがあったなとか思いつつ。


20席ちょっとで満席。2列。カウンターがかたしてあったのでちょっと新鮮な感じ。客入れのときは、出演者3人が立っていて親密な空間に招き入れられる感じ。3人が幕の中に入って、19時半から、はしぐちしんさんの前説。すこし秋の話などしているのは、役者さんの着替えのためだという。非常階段、電源断絶のとき・・・なるほど、本体との関係もあったのかも。照明音響もはしぐちさんがするという。終了は約一時間後(今日は数分短かったかも)。

小学校の男の子になるには、キャップを被りリュックを背負う。全員が代わる代わる彼になる。あとの二人は、10名(生きている人間ではない登場人物も多い)ほどになるという狭い空間での素早い展開。


お父さんがおにぎりを作るところで、お母さんはいないなと分かる。いまはマンションにいるが、(どうも災害か何かで不在の)お母さんがすんでいた場所(ばあちゃんちか、その付近:サトマチ)へ、彼女との約束(旧盆ともつながる?)のために、誰もに見つからないように、階段で降りていく。

入り口でまず関門の一人目に遭遇。手押し車ばあさん、認知症という病気だと言うが、かつてお母さんを教えた元先生なので、ムシもできず困ってしまう。つぎに引きこもっている同じクラスの山田くん。カーテンの向こうにいるはず。犬のリュウ(リョウだったっけ)が話しかける。なんと、犬にお母さんがなでなでするという(ちょっとこの辺り見ている方も混乱気味)。


ようやく、シンマチの駅。駅員さんに一人だと止められるので困ってしまう。その時だったか、これが一番面白い登場人物である「飛び出し坊や」が話しかける。二人いるような?滋賀には多いが東北にはあるんだろうかとか思いつつ。

慌てて電車に飛び乗る。でも反対方向に行ってしまい・・・そのあたりで、自分の影が話しかける。生きている人間と死んだ人間や犬、飛び出し坊や(実は40歳になっているらしい)との会話が特に変化もなく連続する。見ている方も、小学生ってそうだったかもなあとか、お盆やしとかまあそんな霊的レベル高まる状態に慣れてくる。


そして事情のあるお地蔵さん。これがちょっとツボ。黒板に「疚しい」とか「多様性」とかのレクチャーをしていたのも地蔵さんだったかどうか、すこし時間が経ったので怪しいが、まあ、そういう状況で、お供えというかお母さんへのお参り。お母さんのお母さんも一緒になくなったのか、生きているのかは分からない。白いおにぎりにどうも意味があるらしい。亡くなった人たち、場所に於いて、一緒に食事すること。コーラは忘れた。苦いお茶はすでに手押し車ばばあにやってしまって・・・


https://www.kobe-np.co.jp/news/odekake-plus/event/detail.shtml?news/odekake-plus/tanshin/201709/10551320/20170913193732854929

作・演出 はしぐちしん

出演 香川倫子、佐藤あい 橋本健司(桃園会)

<夏休み、亡き母との約束を果たすため、僕は電車を乗り継いでばあちゃんの家に向かった。同劇団代表・はしぐちしんが自身の小さいころの思い出と、東日本大震災5年後の福島を訪問した際の記憶をもとに書いたノスタルジックな作品。主人公の「僕」を3人の役者が演じるなど、実験的な演出を試みるという。>

<「Re:sources」とは:コンブリ団の新しい試みです。「リソーシーズ」と読みます。俳優と共に、小さな空間で実験的なことにチャレンジしてみようという試み。原点回帰の意味も込めた新シリーズです。>


初めて読んだのだろうな。どうしてこの作家の小説を購入したか忘れたが(きっと、別の作家の小説の解説のなかで興味を持ったのだろう)、なかなかにリアルな怖さをじわじわ京都の地名とともに味わう読後感を得た。

貴志祐介『黒い家』(角川ホラー文庫、1998年、単行本は1997)

一番、興味深かったのは、ファーブル昆虫記的な比喩。

ホタルの幼虫の話とか、デザート・ジャイアンというムカデがサソリを襲う話とか、蟻の巣を襲うアリノスシジミという芋虫とか。

貴志祐介さん:195913日~、大阪市出身、京大経済学部卒。

30歳の時、同僚の事故死をきっかけに自分の人生を考え、8年間勤めた朝日生命保険を退職し、執筆・投稿活動に専念する。鈴木光司『リング』を読み、「ホラーというのは、ミステリの文脈でまったく新しいものが書ける」と気づいたという。1994年に日本ホラー小説大賞が創設されると第1回から応募を続け、阪神大震災の経験を機に、1996年に『ISOLA』(『十三番目の人格 ISOLA』と改題し刊行)で第3回長編賞佳作を受賞し、同作で作家デビュー。1997年に『黒い家』で第4回大賞を受賞>

https://matome.naver.jp/odai/2140779521594536501

<大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問するが、そこで菰田家の子供が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。
事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、昭和生命は保険金の支払いを保留していたが、重徳は執拗に支払いを求める。疑念を抱いた若槻は、一連の事件の首謀者を重徳と推測し、妻の幸子宛に注意を促す匿名の手紙を送ってしまう。
そこから、若槻自身の生命が脅かされる、恐怖の日々が始まった。>

62 「その病院は、JRの山科駅から山側に入った場所にあった」・・・20年前だし、いままでの山科のイメージではある。

64 「『モラルリスク』病院」・・・京都市に4つあるという設定。かなり細かい。

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by kogure613 | 2017-09-15 22:49 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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