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兵庫県立ピッコロ劇団劇団第59回公演 (2014年からの再演)『かさぶた式部考』ピッコロシアター大ホール

2017/9/30(土)

空が高い。

高校生の制服が今日まで夏服。3年前も一緒に今日見る『かさぶた式部考』を見たなとあとで気づく。

塚口駅を降りてピッコロシアターへ。途中の小学校では体育大会。いい天気で良かったね。

初めはテレビドラマだったということにすこし驚くとともに、映画からテレビの時代に生まれた脚本だったことが分かる。新劇集団で公演され、映画にもなったそうだ(1990年、熊井啓監督、監督補は原一男とある。大友豊市:奥田瑛二、大友てるえ:原田美枝子、大友伊佐:香川京子、智修尼:岸惠子)。

ディテール以外はけっこう記憶が蘇り、もちろん、すこし俳優さんが入れ替わっただろうし、演出にも工夫した変化があるのだろうが、この圧倒的熊本方言のなかで、内容はしっかりと伝わるとともに、どうしようもない心の痛さと深さ、でもそれに対して信仰も愛情もどちらを取っても構わないし、簡単には負けない諦め得ないという生き様がかっこいいなと見終わって思う。

エピローグでカドミウム公害のイタイイタイ病の話があって、炭鉱事故一酸化中毒から水俣病かイタイイタイ病、森永ヒ素ミルク中毒事件などなど、忘れるわけにはいかない過ち、犯罪について改めて思う。キャピキャピいまどきギャル二人の登場というのも、高度成長期ならでは(戯曲としては、1969年、テレビドラマの台本としては1965年)。

先天的な知的障害と後天的な知的障害との「差異」について言説などもかなり危ういところもあるけれど、鋭い提示でもある。

兵庫県立ピッコロ劇団第59回公演

『かさぶた式部考』ピッコロシアター大ホール(400席)、14時ぐらいから16時半。あいだに15分の休憩(舞台美術の変化も見もの:加藤登美子さん)。

https://stage.corich.jp/stage/86143

脚本 秋元松代 戯曲『かさぶた式部考』(1969年)【第十一回毎日芸術賞受賞】

演出 藤原新平(文学座)

出演 平井久美子、原竹志、吉江麻樹、森万紀、亀井妙子、杏華、森好文、木全晶子、今井佐知子、山田裕、三坂賢二郎、木村美憂、孫高宏、野秋裕香、木之下由香、本田千恵子、吉村祐樹、橘義、/峯素子(遊気舎)

<愛娘の病死をきっかけに現世の無常を悟った和泉式部が、
瘡という病を負って諸国を遍歴し人々を救済するという「和泉式部伝説」。
第二次大戦後のエネルギー革命に伴う炭鉱災害をはじめ、厳しい現実に立ち向かう人々の姿と「伝説」が響き合い、2017年、私たちの生きる今をこそ鋭く照射する!
2014年に上演し好評を博した重厚なドラマを、兵庫(尼崎市ピッコロシアター・相生市)・東京で再演!
【あらすじ】
昭和42年、九州地方の農村、炭鉱事故で正気を失った豊市は母と妻に献身的に支えられながら暮らしていたが、「六十八代和泉式部」を名乗る尼僧に魅かれて巡礼団のあとを追った
「和泉式部伝説」を材に描く人間の業と生への希求、そして終わりなき漂泊。厳しい現実に立ち向かう人々の姿と「伝説」が響き合い、私たちの生きる今を鋭く照射する。>
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by kogure613 | 2017-09-30 22:19 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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