居場所と出会い、化学反応と創発

2017/10/6(金)
昼休み、植樹祭、大学内のテントの意味が今日分かる。
残念ながら、今日は雨。

あさ、原稿依頼があったものを書いて送る。タイトルは「居場所と出会い、化学反応と創発」。
ご依頼の内容は、<「若者×エイブルアート」をテーマに、障がいの有無に限らず“その個人が尊重された空間・そこに居る人が、その人らしく過ごせる空間”など、ノーマライゼーションを創作や表現の観点から議論を進めようと構想しております。特集の最後に、エイブルアートのような空間について、なぜそのような空間が必要なのか、またそのような空間に期待していることについて>

以下、その原稿:

居場所と出会い、化学反応と創発
 エイブルアート、アウトサイダーアート、ボーダレスアート、アールブリュット、生の芸術、障害者芸術・・・さまざまな呼ばれ方で、障害者や、専門的な芸術教育を受けない人による芸術作品や芸術行為が名付けられ、それらが徐々に、芸術分野の専門家だけではなく、福祉やまちづくりなどを担う方々にも広く注目されるようになってきました。
 画家、ジャン・デュビュッフェによる命名の「アールブリュット」というフランス語が一番早いと思われますので、そこからすでに70年を超えていて、さらに、芸術のジャンルも美術だけではなく、工芸やデザイン、音楽やダンス、演劇とどんどん広がっている現状です。もちろん、とても喜ばしいことですが、まだまだ、検討することも多く残っています。
 私も細々とした活動ですが、障害者とそのヘルパーさん、アーティストや学生たちが集い、時には発表もする「めくるめく紙芝居」というものを10年ほどやってきました。いまになると、一番の機能は、こども食堂とも繋がりますが、障害者たちの「居場所」づくりと、市民、学生、芸術家と障害者との「出会い」づくりだったのだろうと思っています。
 ただ、芸術家と障害者の出会いには、もう一つ、大きな機能―いや、機能というよりも、化学反応という方がいいかも知れません―があります。
思いがけないもの、いままでに見たこともないような「未知」を創るという面白い出来事が待っています。「常識に囚われない」と簡単に言っても、実は、それぞれだけで集まると、芸術分野の定式とか、障害者福祉の定石とかに、どうしても囚われることが多いものです。
 こういう思いがけない出会いによる化学反応を、芸術上の「創発(エマージェンス)」と私は考えていて、生物が生命現象として自ら自己形成的に創発を繰り返しつつ、突然変異を起こして進化するのと同じように、芸術もまた、そういう思いがけない出会いによって、創発が起きるのではないか、そして、新しい、名付けえぬものを生み出すのではないかと考えています。
 私たちのまちの片隅のほっこりとした居場所、心地よいのと同時に、見たこともないような芸術、初めて出会う人びととの対話が生まれる可能性、それが、エイブルアート、アールブリュットの空間の魅力だと思っています。


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by kogure613 | 2017-10-06 14:15 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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