第5回 劇場文化論2017 5/10用の配布資料原稿


5回 劇場文化論2017近畿大学文芸学部文化デザイン学科―

小暮宣雄@京都橘大学 

【チェック】

1)劇場の設置主体・・・・公立(国立、地方自治体立) と 私立(非営利法人立、企業立)

新国立劇場、国立文楽劇場、兵庫県立ピッコロ劇場、伊丹市立アイホール、兵庫県立芸術文化センター

アトリエ劇研(NPO法人劇研)、天満天神繁昌亭(公益社団法人上方落語協会)、シアトリカル應典院

宝塚劇場、大阪四季劇場、近鉄アート館、ウイングフィーウド、インデペンデントシアター

2)実演芸術のなかの伝統芸能

実演芸術を大きく3つに分けると⇒①(     )、(     )、(     )と分類できる。

日本の伝統芸能は、次の4つが代表的なものである。古さ順で書くと(⑤と⑥は近世でほぼ同じ)

(②)・・・古代に中国大陸や朝鮮半島などから渡来して成立したもの。宮内庁に所属する楽師たちは、国家公務員。

(③)・・・悲劇としての「能」と、喜劇(笑劇)としての「④」からなる。能の囃子方は、能管、小鼓(こつづみ)、大皷(おおつづみ、大革ともいう)、太鼓(たいこ)。

(⑤)・・・人形浄瑠璃の一つで大坂で完成された。他に、阿波人形浄瑠璃や淡路人形浄瑠璃などがある。

(⑥)・・・⑤と影響し合って形成された近世の芸能で、その役者は現代においても映画やテレビドラマなどでも活躍している。⑥の代表演目は、すべて⑤からのもので、三大⑥演目は、菅原伝授手習鑑、義経千本桜、仮名手本忠臣蔵である。このうち、仮名手本忠臣蔵は、山科にも潜んでいたことのある(⑦)ら四十七士が、赤穂藩主浅野内匠頭の仇を討つ物語をもとにしたもの。(大石内蔵助、吉良上野介

3)演芸(大衆芸能)

文化芸術振興基本法(2001年)の第十一条には「国は、講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱その他の芸能(伝統芸能を除く。)の振興を図るため、これらの芸能の公演等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする」とあるが、これがここで扱う演芸に当たる。このなかで、

(①)は、漫才とともに、いまでもポピュラーな一人話芸(出囃子はつくが)で、代表的な古典演目には、「まんじゅうこわい」「寿限無」「時そば」「代書屋」「火焔太鼓」「風呂敷」「宿替え」などがある。

(②)は、①と形態は似ているが、「演者は高座におかれた釈台と呼ばれる小さな机の前に座り、張り扇でそれを叩いて調子を取りつつ、軍記物や政談など主に歴史にちなんだ読み物を、観衆に対して読み上げる」というもの。

(③)は、浪花節とも呼ばれ、三味線を伴奏に用いて話を語り、歌う[。各演題ごとに歌う部分(節)と語り演じる部分(啖呵)を両方持つ。明治時代後期から昭和中期にかけて日本全国で庶民的な人気を博した。

【芸術についての法的根拠】

日本国憲法(芸術・文化に関わる条文)

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第二十五条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

○2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

基本的人権における自由権(21条) と 社会権(25条) 

⇒         自由権的文化権 と 社会権的文化権 

文化芸術振興基本法(平成十三年十二月七日法律第百四十八号)

前文

 文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いである。また、文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである。更に、文化芸術は、それ自体が固有の意義と価値を有するとともに、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって、自己認識の基点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てるものである。

・・・・・

 ここに、文化芸術の振興についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、文化芸術の振興に関する施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。

・・・・・

(目的)

第一条  この法律は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う者(文化芸術活動を行う団体を含む。以下同じ。)の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第二条  文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない。

2  文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者の創造性が十分に尊重されるとともに、その地位の向上が図られ、その能力が十分に発揮されるよう考慮されなければならない。

3  文化芸術の振興に当たっては、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることにかんがみ、国民がその居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない。

4  文化芸術の振興に当たっては、我が国において、文化芸術活動が活発に行われるような環境を醸成することを旨として文化芸術の発展が図られ、ひいては世界の文化芸術の発展に資するものであるよう考慮されなければならない。

5  文化芸術の振興に当たっては、多様な文化芸術の保護及び発展が図られなければならない。

6  文化芸術の振興に当たっては、地域の人々により主体的に文化芸術活動が行われるよう配慮するとともに、各地域の歴史、風土等を反映した特色ある文化芸術の発展が図られなければならない。

7  文化芸術の振興に当たっては、我が国の文化芸術が広く世界へ発信されるよう、文化芸術に係る国際的な交流及び貢献の推進が図られなければならない。

8  文化芸術の振興に当たっては、文化芸術活動を行う者その他広く国民の意見が反映されるよう十分配慮されなければならない。

・・・・・

(芸術の振興)

第八条  国は、文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊その他の芸術(次条に規定するメディア芸術を除く。)の振興を図るため、これらの芸術の公演、展示等への支援、芸術祭等の開催その他の必要な施策を講ずるものとする。

(メディア芸術の振興)

第九条  国は、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術(以下「メディア芸術」という。)の振興を図るため、メディア芸術の製作、上映等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(伝統芸能の継承及び発展)

第十条  国は、雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の我が国古来の伝統的な芸能(以下「伝統芸能」という。)の継承及び発展を図るため、伝統芸能の公演等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(芸能の振興)

第十一条  国は、講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱その他の芸能(伝統芸能を除く。)の振興を図るため、これらの芸能の公演等への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(生活文化、国民娯楽及び出版物等の普及)

・・・・・

(地域における文化芸術の振興)

第十四条  国は、各地域における文化芸術の振興を図るため、各地域における文化芸術の公演、展示等への支援、地域固有の伝統芸能及び民俗芸能(地域の人々によって行われる民俗的な芸能をいう。)に関する活動への支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

・・・・・

(芸術家等の養成及び確保)

第十六条  国は、文化芸術に関する創造的活動を行う者、伝統芸能の伝承者、文化財等の保存及び活用に関する専門的知識及び技能を有する者、文化芸術活動の企画等を行う者、文化施設の管理及び運営を行う者その他の文化芸術を担う者(以下「芸術家等」という。)の養成及び確保を図るため、国内外における研修への支援、研修成果の発表の機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。

(文化芸術に係る教育研究機関等の整備等)

第十七条  国は、芸術家等の養成及び文化芸術に関する調査研究の充実を図るため、文化芸術に係る大学その他の教育研究機関等の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

・・・・

(劇場、音楽堂等の充実)

第二十五条  国は、劇場、音楽堂等の充実を図るため、これらの施設に関し、自らの設置等に係る施設の整備、公演等への支援、芸術家等の配置等への支援、情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(平成二十四年六月二十七日法律第四十九号)

前文

 劇場、音楽堂等は、文化芸術を継承し、創造し、及び発信する場であり、人々が集い、人々に感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、人々が共に生きる絆を形成するための地域の文化拠点である。また、劇場、音楽堂等は、個人の年齢若しくは性別又は個人を取り巻く社会的状況等にかかわりなく、全ての国民が、潤いと誇りを感じることのできる心豊かな生活を実現するための場として機能しなくてはならない。その意味で、劇場、音楽堂等は、常に活力ある社会を構築するための大きな役割を担っている。

 さらに現代社会においては、劇場、音楽堂等は、人々の共感と参加を得ることにより「新しい広場」として、地域コミュニティの創造と再生を通じて、地域の発展を支える機能も期待されている。また、劇場、音楽堂等は、国際化が進む中では、国際文化交流の円滑化を図り、国際社会の発展に寄与する「世界への窓」にもなることが望まれる。

 このように、劇場、音楽堂等は、国民の生活においていわば公共財ともいうべき存在である。

 これに加え、劇場、音楽堂等で創られ、伝えられてきた実演芸術は、無形の文化遺産でもあり、これを守り、育てていくとともに、このような実演芸術を創り続けていくことは、今を生きる世代の責務とも言える。

・・・・・

(目的)

第一条  この法律は、文化芸術振興基本法 (平成十三年法律第百四十八号)の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の活性化を図ることにより、我が国の実演芸術の水準の向上等を通じて実演芸術の振興を図るため、劇場、音楽堂等の事業、関係者並びに国及び地方公共団体の役割、基本的施策等を定め、もって心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。

2  この法律において「実演芸術」とは、実演により表現される音楽、舞踊、演劇、伝統芸能、演芸その他の芸術及び芸能をいう。

・・・・・

(国際的に高い水準の実演芸術の振興等)

第十条  国は、国際的に高い水準の実演芸術の振興並びに我が国にとって歴史上又は芸術上価値が高い実演芸術の継承及び発展を図るため、次に掲げる施策その他必要な施策を講ずるものとする。

一  独立行政法人を通じて劇場、音楽堂等の事業を行うこと。

二  地方公共団体が講ずる劇場、音楽堂等に関する施策、劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する民間事業者(次項及び第十二条第二項において「民間事業者」という。)が行う劇場、音楽堂等の事業及び実演芸術団体等が劇場、音楽堂等において行う実演芸術に関する活動への支援を行うこと。

・・・・・


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by kogure613 | 2017-04-27 18:10 | 大学・校務 | Trackback | Comments(0)

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