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劇団衛星新春興行『フルベース』東山青少年活動センター&長岡京室内アンサンブル・春秋座

1/27(土)
とどけものを持って京都の北へのぼる。
ミッシェル・ルグランが自分で演奏しているピアノソロもおまけに。
かわりに「はなればなれ」。この音楽もルグランだった。
獅子座を忘れる。

京都芸術劇場「春秋座」。長岡京室内アンサンブル。
西洋クラシック音楽、とくに室内楽を聴くのには、どうも春秋座では集中できない感じがした。前のほうに座ったのだが。
残響が短いということだろうか、小屋が大きすぎるからか、よくわからない。

ただ、R.ガニュー「弦楽オーケストラまたは弦楽五重奏のためのシャコンヌOp.55」(森悠子委嘱作品)のバイオリン(谷本華子)はきらきらしていて、その前のメンデルスゾーン12歳のシンフォニアとは別弦のようだったから不思議。ハーモニクスの解説もあったけど、くぐもった気持ちのいい響きだった、ビオラでバッハも遠く流れて。

つまびきばかりのヴィヴァルディのマンドリン協奏曲ハ長調も気持ちよく、石橋敬三というマンドリン弾き(京大に入ってマンドリンを弾き始めて、いま5年目という)は、長身で男前だけれど場慣れた感じがなく初々しくすてき。自分の作曲作品は、とくに後半は、まあこれだけ弾けますみたいなだった気がしたけれど(マンドリン自体がだれでもアーツ的手軽さがある)、京大のアマチュアリズム的(かつ自由気まま)なアーツへの取り組みというのは、関西の財産だなあと、夜の劇団衛星の公演を見ながらも再確認したわけだ。

後半は珍しいベートーヴェンの弦楽五重奏曲ハ長調(やけに長く、もう少し早く弾いてもいいんじゃないかなあ)と、ミヨーの弦楽五重奏曲第2番。あんまり聴かないのでほどほどに面白く、アンコールが二つもあったのはお徳な感じだった。

小腹がすいたので、豚丼を食べて東山青少年活動センターへ。
劇団衛星新春興行『フルベース』。2002年、東山青少年活動センターの企画で中高生向けに作演出の蓮行さんが書いた脚本なので、作品自体は出来ているために、この公演では目いっぱい制作の試みが満載している。ブログが二本もある(ファックジャパンのブログには京都橘大学も登場した)し、シンポジウムではなんと蓮行さんの恩師でもある池上淳京都大学名誉教授(京都橘大学文化政策学部創設者)さんが出たり、西田尚弘さんの基調講演があったりしている。

まあ、一番面白いのは、当日の出演者はその日の出来次第というところだろうか。一軍と二軍の入れ替えとかファーム試合とか、公開ゲネプロはオープン試合といったり、フルベースなのでフルにベースボールに演劇を当てはめている。でも、きちんとしたエンタテインメント演劇であることは保証済みで、かつ、野球を見てみようかな?と思わせる教養的な娯楽作品にもなっている。

草野球の面白さは、町内会的商店街的キャラクターで、見ながら、この前ユリイカで特集していた松本大洋の『花男』を想起されてくれるのだけれど、ぜひ、ファック・ジャパンは、そのキャラのまま花男としても十分にやれるのではないかと思ったりもし、でも、今回はとくに懐かしいこともあり、元衛星の田中遊の二枚目なのか三枚目なのかわからん魅力が光っていて、あとレギュラー陣に加えて、高校生とか心臓が悪い女の子のパジャマ姿萌えとか、そのお姉さんはじめ看護師コスプレ萌えとか、いろいろなフェチ的な吸引力満載で、そういう巷カルチャー的面白さをいかに伝えるのかしら、わたしには出来ないけれど、きっと、漫画とかゲームとかに詳しい人ならもっと面白いのかしらねえとか思って観ている。

あとどうでもいいことだが、蓮行さんが中日ファンということがあって、シンポジウムに出る京都ファイアーバーズの元マネージャーも中日ファンらしくて、だからキャッチャー名が出るときもまっさきに谷繁の名前が出ていたりして、中日もそろそろ次のキャッチャーを育てなくちゃとか、ついペナントレースのことを思ったりもする。28日はうちの中村みどりも出るようで、観れずに残念だったが、インタビュアか高校生アナウンサーとかになるのだろう。

フルベースに投げる最後の球を「弁天さん」に預けるというキャッチフレーズがあって、どうして、弁天さん=弁財天なのだろうかと思っています。いまもじつはよくわかっていませんが、もともと弁天さんは芸能の神様なので、ベースボールというスポーツでありかつ演劇であるというこういうシーンには意味が深い感じはしますね。しっとぶかいというのも関係があるかも。
http://www.butuzou.net/02info-b/benten.html
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiyokoku.htm
by kogure613 | 2007-01-28 12:31 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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