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View Masters現音採集観察学会 大阪・メルボルンリミックス。

2/4(日)
あさ、いろいろ。ダンスボックスにファックスを送り、チラシや記事を撮影して(スキャナーが芳江のパソコンにつながっていたりでついデジカメアップ)、このブログを書く。
糸井登さんはじめいろんな人のブログを読む。はなにアップするからねと、電話もする。
きょうは、めくるめく紙芝居プロジェクトのチラシづくりなどのための撮影会になっていたらしいが、わたしは、みなさんにお任せして、大阪楽座事業の視察でもあるので、浜寺公園へと向かう。
デジカメを持ったので、まず晴れた日の日常をスナップ

View Masters現音採集観察学会 大阪・メルボルンリミックス。
主催:NPO法人大阪アーツアポリア、共同パートナー:West Space Gallery。

北浜から終点の天下茶屋駅。そこから南海電車で堺、各駅停車で浜寺公園駅へ。
堺駅あたりで気づいたのだが、ホームで鈴の音のような、現代音楽のような、今日耳にいっぱいするだろう、音楽というかサウンドアートというか、そういうものに類似のベル(たぶん)が執拗に鳴っていて、そこから耳の旅が始まっている。

浜寺公園駅に下車。プラットフォームの寒さよけあずまやから趣がある。階段の仕切りも白っぽい木。なるほど。駅舎を見て納得。辰野金吾という日本の近代建築のはじまりの人のものだった。1907(明治40)年。当時の待合室はいま浜寺公園ステーションギャラリーとなっていて、今回のヴューマスターズ展覧会の会場になっている。

写真はこちら→http://kogurearts.exblog.jp/5444909/

入ると受付の人がいて、手前と奥に作品が3つずつ置かれている。サウンドが混じっているが、だんだん、どこから出ているのか分かってくる。ただ、外の電車の音がするとうちの音が反応したりするので、いったいとなった展示でもある。13時には着く予定だったのに、14時に近くなってしまい、田尻麻里子、梅田哲也、宮本博史、HACO&角田俊也・・と順番に見てゆく(いや聴いてゆく)。メルボルンの人たちのはインスタレーション(梅田作品も風船が印象的なインスタ)で、ちょっと派手なもので、びっくり。

全部を聞くことはできなかったのは、15時からのヴューマスターズトラムコンサートの場所が、阪堺電車の恵比寿駅だったからで、また南海電車で新今宮駅に行くほうが近いかも知れなかったが、せっかくなので、阪堺電車で向かうことにした。路面電車はじつにいい。ただ唯一の心配は、わたしの電車のすれ違いに貸しきりサウンド電車が過ぎ去ることで、それだけはひやひや。広々とした堺市から大和川を越えて大阪市へ。信号待ちがあり、家が近づき。住吉大社が目の前。大きいなあ。小さいとき、この電車で親戚の家からお参りに行ったこと、見世物小屋がいっぱいあったことなどを思い出す。

吊り輪の宣伝が墓石屋さんやお葬式屋さん(白善社・・白い善というのは、どんな善なのだろう、赤い善とか、黒い善とかも考えてみる)、鍼灸院、介護派遣などの宣伝が車内にあって、冥土に近い旅のようでもある。ぶじ、15時前に恵美須町駅に到着(290円)。小島剛さんによると、1週間前に、安全のために急きょ2台になるかも知れないと伝えておき、コンサートの予約が多くなったので、2日前まで変更が可能なので、実際貸し切り車両を2台確保したのだそうだ。

30人ずつに分かれて、二つの電車に乗る。20分ぐらいずつ、4組の演奏を、貸し切りトラムで風景を見ながら(拡大鏡さんの演奏時には、風景や車内の景色もライブビデオで写され投影されていたので、風景は二重になってしまっていたが)、トラムや外気の音をミックスさせて演奏を聴く音の旅。

わたしは、はじめメルボルンチーム(snawklor)の演奏、生の楽器・ゲーム?なども取り込んだものを聞く車両に乗る。音が入ると、路面ではなく、水面とか空中とか、そういう浮遊感が耳と三半規管、振動とのミックスでするように思う。我孫子道駅の車両基地で、入れ替え一服。ここがすごいところで、一番古い車両は1928(昭和3)年製ということで、確認できたものでも、昭和6年というのがあった。詳しい人がいて、これは京都市電のものだとかいろいろ興奮して言っている。

我孫子道から浜寺公園は、女性ユニット、中垣みゆき&実樹ちとせ。ボタンの指さばきがよく見えるところで鑑賞している。景色がのどかになっていくと、音が広がっていく感じになっていく気がする。いかに聴覚と視覚はリンクしているのかということはよく分からないが、かなり刺激しあっているように思える。

折り返しは、まず拡大鏡。小島剛ともう一人のデュオだったようだが、ビデオが入るので、かなり濃密な体験となって、車外とはほとんど関係ないコンサート状態になってゆく。首が少し疲れるが、耳の感覚がどんどん鋭くなっていることがよく分かる。

そして、ラストセッションは、江崎将史&中尾勘二の楽器デュオ。
楽器といっても、それを普通に吹くというのは、最後ぐらいで、トランペットをたたいたり、かたかた言わせたり、トロンボーンの管だけを吹いたりと自由自在。電子音楽が続いたので、人間の体内から出る空気が響く音を車両という一サイズ大きい体内で聞くという感覚が面白い。床をする音は意外感があってかつあざとくもなく、とりわけ、降車ベルの音とそのサインが印象的だった。楽器を外に向けて演奏したのも愛嬌があって、唯一笑いがあるセッションでもあった。

休憩時間などに、小暮はなライブのチラシを少し手渡し。そのチラシにも「中尾勘二」さんと書いてあったし、本人に渡したかったのだが、彼はまだまだ演奏する体勢にあったし、なんだかそぐわない感じもあって(余韻が続く車内、もう一方はすでに下車ずみでみんな興味深そうにこちらの終演を見守っている状況)、渡さなかった。
by kogure613 | 2007-02-04 23:17 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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