サムルノリ誕生30周年記念公演@メイシアター大ホール

7/3(木)
最近、気がつくと脳内で交響曲などが鳴り響くようになった。特に朝、歩いていると。
モーツアルトの40番がもちろん多いのはずっと聴いていたからだけれど。最近、ワルター指揮の40番(授業のあとで手に入れる)がお気に入り。
もちろん、かってに歌を作って歌う夜もある。

限界芸術を知らず知らずやっていたり、イヤホンで音楽を聴かなくても、ただで音楽を聴くことが出来る。脳内なのか、耳の穴なのかすら分からないな。「幻聴さん」とはちょっと違うけれど、なんていうのだろう、こういう外部から来るのではない、内部だけで響く(と錯覚する)音楽というのは!

限界芸術の言い換えあそび。だれでもアーツって前は言っていた。いま思いついたのは「きわきわアーツ」。うん?先端芸術を「さきっぽアーツ」と呼んでもいたが、「きわきわアーツ」といいかえてもいいかも。とすれば、限界芸術は「きわアーツ」か。こうすると、限界芸術「きわアーツ」と先端芸術「きわきわアーツ」の予想外の近さがよく出るかもな。

アウトサイダーアーツは限界芸術なのか先端芸術なのか(限界芸術から先端芸術までの幅がありつつ、渾然一体となっていて、一番アーツの本来的姿に近いものなのか)、あるいは、もっと違うもの、たとえば「外側(縁側)芸術」とでもいうべきか、という難問(アポリア)には到達できそうにはないが。「わきアーツ」?

近大。
リリパット・アーミー1995年公演(青山円形劇場か近鉄アート館か)の映像の前半。のちに小説化した冒頭を学生たちに音読させてから見せる(社長や柿沼、ト書きに分けて)。小説は社長が男になったり、いろいろ変化していて、こういう風に演劇脚本のノベライゼーションって面白いよなと思う。他になんかあったっけ?中島らも『こどもの一生』(集英社、2003年)。

16時半に、はなと梅田阪急百貨店で待ち合わせ。地下に会いたい人がいたからだが、今日は休みだった。
阪急で吹田駅へ。時間つぶしに神社とか、マンホールが太陽の塔なのね。昔風の喫茶店でホットケーキ。
メイシアター大ホール。栢下(かやした)さんが、金徳沫(キム・ドクス)サムルノリ・ファンクラブ関西事務局長)なので、呼んでいただいたのである。磔磔の方がたや創造館の方がたの姿も。

サムルノリ誕生30周年記念公演。はじまって数分はビクビク。イ・グァンス奏するケンガリ(小鉦)の騒々しい音(日本の鉦とはまた違う雑多な響きがその後ものすごく気持ちよくトランスさせてくれるのではあるが)、そして、鳴り渡るテビョンソ(イ・テギュによる)の音が猛烈な動揺をカラダに与えたのだった。

で、ピナリ。ホール壇上に聴衆があがってお祈りをする。韓国(朝鮮)風の丁寧なものだ。靴を脱いで。その前でイ・グァンスは、ピナリを歌う(語る)。朗詠という感じか。「この詞には、創世の来歴と悪払い、厄払い、言祝ぎ等の内容が込められている」という。栢下さんやメイシアターの理事長さん(かつてここの名物事務局長だったが、いまは無給で理事長をやっているのだという)などがお祈り。そのあと、客席からどんどん人びとがお祈りにのぼってくる。すご~い。

芸能と習俗、信仰が渾然一体としている現場からは遠いが、その記憶を壇上に上った年配の方がたは辿ることができるだろうし、若く、礼拝の仕方をこの場で習っている若者もまた韓国の風景を少しは幻視するのかも知れない。

第1部は、そのあと、2つの壮絶な演奏があった。4人(キム・ドクス=チャンゴ=杖鼓、イ・グァンス=ケンガリ、チェ・ジョンシル=プク≒太鼓、ナム・ギムン=チン≒ケンガリより大きい鉦)がチャンゴだけで演奏するモノクローム故にサムルノリのリズムの様相だけがくっきりと映像となる「三道ソルチャンゴカラク」。そして、代表的サムルノリの名曲「三道農楽カラク」。もう即興演奏とか現代音楽とか、なんとかかんとか言わないで聴くしかない音楽である。でも、けっこう遊びもあり、つっこみどころも用意している。

第2部は座っての演奏から、うってかわって、祝祭の場にやってくる、移動音楽隊としての5名。いやあ、50歳代とは思えない。動き回り、くるくる回るダンス、日本の田楽と似ているところってあるんだろうか。白い帽子に紙テープ、あるいは、プポ(帽子の羽根飾り)。紙テープをはなはつけて踊ったことが高校時代あったそうで、あれはむずかしいのよという。とりわけ、プポをまわすのではなく、プポでお話をするように、あるいは、プポというお花を開いたり閉じたりする演技はすごく楽しく、曲芸を見ている錯覚に陥る。

踊りが視覚となって軌跡となるなんて、実にすばらしいエンタテインメント性だ。本当の祝祭の場にいきたくなり、最後のアンコールは、またまた聴衆が壇上に上ってぐるぐる踊る「ティプリ」だ。左回り。小学校のときプールで輪になって歩き泳いだあの感触を思い出す。

帰り、電車の中で二人ともリズムを指で打っていた。もちろん、はなの方がちゃんとリズムを覚えていたけれどね。
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by kogure613 | 2008-07-03 09:52 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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