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三隅研次『四谷怪談』 アルドリッチ『ワイルド・アパッチ』 黒沢清『アカルイミライ』

12/31(水)
大晦日。しずか。家の中。外はずいぶん冷え込んでいるようだ。
たゆたゆの女性2名ユニットのアルバム、『いちにちのながさを、はなうたできめる』。けっこう、フリージャズぽい瞬間だってある。バイオリンも優しさから現代音楽ぽいものまで。

周防正行『それでもボクはやってない~日本の刑事裁判、まだまだ疑問あり!』(幻冬舎、2007)がとどく。カットされたシーンが載っていて、あれこれ思う。なるほど、もっと、エキセントリックな描写もしたいと思ったけれど、極端だと観客に思われるからやめたということ。

三隅研次監督『四谷怪談』1959年、84分。カラーに品がある。長谷川和夫の民谷伊右衛門の立ち回りがかっこよくって、同じ年にとられた『東海道四谷怪談』とはずいぶん趣向が違っている。怖いところはかなり少ない。でも、たらいの着物から・・・はぞくっとするけれど。

ロバート・アルドリッチ監督『ワイルド・アパッチ』1973年、103分。ULZANA’RAIDが原題。ウルザナ(ホワキン・マルティス)というアパッチ族の脱出者を中心とした一団が追ってきた騎兵隊と対決するシンプルな物語り。終わり方が確かに黒沢清映画へと続くものだと確認。さっぱりしているが、めまぐるしい展開、西部の店や街角の描写などがある、『アパッチ』の方が、ラスト以外は好みかも知れない。

でも、一元的にインディアンとはこういうものだ、とか、白人はこうだ、とか決め付けない点、つまり、価値(イデオロギー)からの自由(あるいは無言及)、そして、宙ぶらりんのままにしつつ、アクションの瞬間は大胆なところなど、見るべき箇所多し。

締めくくりは、黒沢清『アカルイミライ』(2002年製作、03年公開、115分)。
これは一度、映画館で見たのだったが、今年の最後にふさわしいかと思って。
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by kogure613 | 2008-12-31 19:56 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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