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ロバート・アルドリッチ監督作品『ふるえて眠れ』1964年製作

12/28(月)
ロバート・アルドリッチ監督作品『ふるえて眠れ』(1964年製作、133分)を見る。65年に日本公開。
原題は、Hush,Hush,Sweet Charlotte。
恐怖の夜の経過を示す邦題とはすこし違って、劇中歌の一節であり、こちらのほうが、その終結には合っている。あるカタルシスへ向かうから。でも、まあ、怖い子守唄であり恋愛歌である。

なにせ、狂気とそうでない世界とを遊泳するベティ・デイビスはもちろん最高の存在感。可哀相だとか、そういう同情をどんどん超えていってしまうな。モノクロの方が、光に潜む闇のエッジが鋭く、感情の襞が深いが、情緒には流されずに抽象的でシンプルになる。すばらしい撮影術。

対決する女優さん、オリビア・デ・ハビランドも頭がよく常識的でいい女性そうに見えるので、好対照かも。
すこし長いので敬遠してたのだが、始まりは、『何がジェーンに起きたのか』(1962年)よりも短く、途中の前半部分がすこし長い(休日でなかったらだれてしまったかもしれない)。けれど、徐々にサスペンスのテンポもよくなって、何せ、その終わり方が、前作とは違ってすっとしてくれるものなので、実に気持ちがいい。
手首が切断したり、首なし人間が出てきた割には。

お昼は、一人芝居を見た。大竹しのぶでの公演@スパイラルホールがオリジナルのようだ。
http://homepage1.nifty.com/mneko/play/SA/20020216s.htm
人間座スタジオ。『売り言葉』作:野田秀樹、演出・出演・制作:戸谷彩。90分強。
高村智恵子さんの一生。最後は光太郎、けっこう悪かったのだなあ、智恵子抄を創るための策略とまでは言わないまでも、逃げてしまう男。でも、まあ、そういうことはよくあるし、彼はまた戦争協力でも弱い男として戦後悔悟するのだから。

帰ってきてからの一時、七声会の声明とバースリー(ヒロスさん)、タンブーラの曲がとくに印象的なCD『天下和順』に身をおきながら、梅原猛の京都の闇のエッセイを読んで、とてもいい気持ちになった。
by kogure613 | 2009-12-28 23:13 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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