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岡本喜八監督『ああ爆弾』

3/19(金)
子供たちが来たりいなくなったり・・いなくなるとすこし呆然となる。海外でもすぐに声は聞こえるとはいえ。

妻とふたり。iPhoneの録音や録画の機能を使って、詩集の朗読というのを撮ってみた。
授業につかったりもできるか?とはじめ思ってやってみたのだが、単純に面白いのである。
金子光晴さんに西脇順三郎さん。ポポイとかパパーイとか、順三郎さんの晩年の詩には、金子光晴さんとか草野心平さんとかが読み込まれていて、交互に読んでみたりするのも面白い。
詩集を写しながら声だけ録音していくと、自分が読む速度と頁めくりが同調して、ちょっと紙芝居と同じ感じがしたりして。ツイッターにアップしようと思ったが、著作権の問題とかもありそうで、やめる。

宮沢賢治さんとかだったらいいのだろうけれど、まあ。普通の方々よりもろもろ私は恥ずかしいとかそういう感情がかなり欠落しているのかも知れない。だから、私は恥ずかしくなくとも、それを見て恥ずかしいと思わせてしまう可能性があるのである。これもまた面白いことだけれど・・・

夜見たのは、ミュージカル映画とはいえないかも知れないが、それに近い岡本喜八監督『ああ爆弾』(1964年、95分)。和物音楽と洋物音楽を登場人物に振り分け、新旧交代の時代性を見せる趣向である。
狂言を使うはじまりとか、かなり面白いなあと思ったのだが、浪曲に御詠歌などなど音楽ジャンルが多すぎて途中からは少し飽きてくる。後年の『ジャズ大名』(1986)に通じるのだろうが、この手のものはあんまり基本得意ではないようだ、自分は。

ただ、DVDの解説に、木全公彦さんが以下のように書いてあって、これは別に調べる必要を感じた。
→◎
《 ところで、本作『ああ爆弾』は、石原慎太郎が東宝で映画監督をする際に助監督が反対闘争をした結果、その引き換えとして助監督から監督に昇進させるという約束を東宝重役陣から引き出したときに、岡本喜八が一番手として監督に昇進するきっかけになったシナリオだと言われている。・・》

岡本喜八監督の下にいた方(渡辺毅さん)の紹介エッセイ→◎

もちろん、そういうダーティなきっかけのものだから、つまらない、という話ではないし、部分部分、興味深い点はけっこうある。南無阿弥陀仏(元親分役の伊藤雄之助は先祖から真宗だというので)と南無妙法蓮華経(元親分の本妻役・越路吹雪が新宗教にかぶれている設定)とが逆転してしまう下りとかなかなかにシュールな政治的批評。また、爆弾についての肉体的感覚が戦争体験者としての岡本監督ならではの扱い。クルーゾー監督の名作『恐怖の報酬』みたいなスリルがあるというのではないけれど。
by kogure613 | 2010-03-19 23:10 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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