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ペドロ・コスタ『溶岩の家 CASA DE LAVA』&クロード・ルルーシュ『男と女』

2011/3/19(土)
ずっと家にいて、すこし昼寝してしまったりして、体調を整えていた。
じつは、夜にアイホールで『true/本当のこと』を見ると手帳に書いてあったのだが、これは、金曜日の夜の書き間違いで、今日は16時。それに気づいたのが、もう15時をすぎていた。
ほんとは、今日と明日、大阪市立大学で『アート&アクセス第3回シンポジウム・公演』というのがあり、それにもお昼は行こうと思っていたのだった。今日はマルガサリ(ガムラン)とSHINGO★西成(ラップ)の共演で、明日は、ボローニャの仮面劇のあとシンポ。

昔見たのかも知れないが、音楽(フランシス・レイ)のみ記憶にあった、クロード・ルルーシュ監督(製作も)『男と女』(1966年、103分)を朝見る。主人公の一人、ジャン=ルイ・トランティニヤンは、『暗殺の森』(1970年、ベルナルド・ベルトルッチ監督)で見たところなので、なんかちょっと頻繁。でも、この映画は軽いものだ。大人の恋ものがたりをとても洗練された音楽と動く映像でビビットに見せるというもの。
ただ、モノクロ(室内中心)とカラーとの交互的な映像処理は、1960年代からのアクティブなカメラづかいで、なかなかにステキ。

大人の女(35歳ぐらいの想定らしい)を演じるアヌーク・エーメはすでに有名になっていたようだ。彼女は、(ニコール・クロワジーユとともに)歌っているピエール・バルーと3年間結婚していたとか、すこし検索した情報もここに書いておく。なにせ、サラヴァ東京つながりで、この『男と女』のDVDを購入したということもあって・・・

ルルーシュ監督作品は、かなりあることにもびっくり。とくに注意したことがないなあといまさらながら自分の映画鑑賞数の少なさに気づく。『愛と哀しみのボレロ』と『パリのめぐり遭い』はちょっと記憶があるような気もしているが・・・

夜は、ポルトガル映画。ペドロ・コスタ監督映画としては、3本目の鑑賞となった。
『溶岩の家 CASA DE LAVA』(1994年、107分)。主人公は『血』(1989)でも出ていた、イネス・デ・メディロス(マリアーナを演じる)という看護師。リスボンの工事現場で倒れたレオンというカーボ・ヴェルデ島の黒人男性をつれて、この溶岩の島に渡り、この男はじめ島の人たちと様々な形で、じつにシビアにかかわっていくドキュメンタリータッチの映画。

色は前作『血』つながりの溶岩の赤ではじまり、その絵画性はきわめて鮮やか。
それとともに、村(島)の音楽師家族の様子がとくに興味深い。葬式や結婚式には欠かせない人たち。でも、島のなかでは、特別視されてもいる。

冒頭のバイオリンが、危機を伝える都会のシリアス音楽であるのに対して、村のおじいさんのバイオリン(フィドルという方が相応しいかも)は、踊るひとたちがあるこちで成立しいかようにも楽しく素敵に場を演出する。限界音楽!

大地という隠された地平が暗闇の深さ、溶岩の険しさを島の世界、人間社会との対比を鮮明にしつつ、ポルトガル本国+リスボンという都市の背後の闇をえぐり出す映画群の始まりでもある。
by kogure613 | 2011-03-19 23:10 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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