映画『約三十の嘘』を見る
2004年 12月 27日
京都みなみ会館へ。久しぶりに映画を見る。まだ綴り券が数枚残っている。『約三十の嘘』。MONOの初演は見ていなくて、「LEAF」3号で読んだ後再演を見た作品。大谷健太郎監督という人は知らないし、見終わって特段何にも思わない。演劇に比べて、前半が短くて後半がやけに長いなあという印象。他愛のない探りあいなど、もっと平凡なディテールが積み重なって空気が生まれるものではなかったっけ、こんな底の浅い人情物語だったっけ?と不思議な感じ。
小気味良い謎が溢れつつ、生きづらいなかで生きている詐欺師たちの不可思議な世界、切ないなかの甘い感触がもっと出てくるはずなのに、どうして出ないのだろう、可笑しいなあ。冒頭の大阪駅とかあまりにも現実的で、それに最近きれいになった大阪駅ってまるでバカっぽい狭さのなかの空々しさが溢れているのだが、そこが出だしというのがどうも気になる。中はリッチで列車の外(特に汚い屋根)はシャビーというのは結構いけるのだが。
こんな風にニアミスはするのだろうけれど、娯楽(エンタテインメント)とMONO演劇の基本(土田英生作品)は、まるで違うのだということがこれで逆に分かったな。土田英生は、三谷幸喜にはならないし、ならないことが大切なのではないかと、かってにそんなことも思い、ほっともする。それでも、音楽とかもう少しよければ。ただ、中谷美紀があんなに泣くのは、無意味かも知れないがファンならきっとおいしいと思う。どうして、あんな男(椎名桔平)なのか、というのはちょっと解せないが。
『約三十の嘘』、でも映画の方で 少し関係することでもあり、アーツとエンタテインメント(娯楽)との区別を考えるためにも、プラトン著、加来彰俊訳『ゴルギアス』(岩波文庫、1967)のソクラテスの言葉を抜き出しておく。昔英語で習った政治屋(politician)と政治家(statesman)の区別があるという話とも関連している。 《・・・身体でも魂でも、それぞれのものの世話をするのに、二通りのやり方があるとぼくたちは主張していたのを、ここで思い出してもらうことにしよう。つまり、その一つは、快楽を...... more
タイトル:約三十の嘘/邦画 ジャンル:ミステリー、サスペンスというよりヒューマンドラマ 2004年/100分 映画館:シネクイント(227席) 鑑賞日時:12月30日(木)12:30から、約100人 私の満足度:65% オススメ度:75% 「約三十の嘘」、詐欺師のお話ときいて、なんとなく騙されに いくような気分。まずタイトルからしてほんとうだろうか? 三十も嘘がでてくるんだろうか?それとも、三十歳の人の嘘とか? 自分は40才超えてるの約三十というとか?今から考えると 的外れのことを...... more
ある事件から解散していたチームが再び結集した。落ちぶれた元リーダー・志方(椎名桔平)、クールな美貌の持ち主・宝田(中谷美紀)、元アル中の佐々木(妻夫木聡)、皆を集めた新リーダー(田辺誠一)。彼らは3年前に大金をせしめた詐欺師のチームだったのだ。そのメンバー...... more
約三十の嘘 大谷健太郎 監督、 クレイジーケンバンド 音楽、椎名桔平 , 中谷美紀 , 妻夫木聡 , 田辺誠一 , 八嶋智人 , 伴杏里 おっしゃれ〜!ま、途中ちょっと失速かな?と思ったんだケド、最後はまた、ばんざ〜い!たのし〜! どんな映画か、誰が出ているの...... more
けっこう、見ているんですね、映画はみんな。
ぜひ、MONOでこの本当の演劇を見てほしいもの・・・無理でしょうけどね。こぐれ