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木下恵介『破れ太鼓』、『きみに読む物語』、乾緑郎『完全なる首長竜の日』

5/23(木)
近大の授業のあと、早く帰る。
夜は、昨夜観た『婚約指輪』の前年の映画、木下恵介『破れ太鼓』(1949、109分)を楽しむ。
宇野重吉がこの映画では元気な画家で登場。その両親に東山千栄子(俳優座、東京物語のお母さん)と滝澤修。

桂木洋子が次女役で、ハムレットなどを演じている。次男は、映画音楽家で木下恵介監督の弟の木下忠司。彼が作って家族やお手伝いさんが合唱する曲『破れ太鼓』が、主人公の暴君的父親、津田軍平(阪東妻三郎)をコミカルに描いている。

木下恵介の多彩な作品群の一つだが、喜劇の重要さがよくわかる。そして、音楽、とくに合唱の重要さ。その一因には木下忠司さんの存在があったのかも知れない。グランドピアノのある田園調布のお屋敷。隣の吠える犬の妊娠と出産。輸出企業であるオルゴール会社。蟯虫の卵が見える顕微鏡、混みあう電車、何もない海岸線。

サンテレビの録画、吹き替えでニック・カサヴェテス監督『きみに読む物語』(123分)をぼんやり見る。なかなかに面白かった。「2004年に製作されたアメリカ映画」、ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー。レイチェル・マクアダムスがいかにも脳天気なアメリカ高校生っていう感じだった(彼女はカナダ人らしいが)。

乾緑郎『完全なる首長竜の日』(宝島社、2011年)を読む。若手のミステリー小説。行替えが多く、何か描写がすかすかだなあとも思うが、夢、深層意識、現実の虚実の皮膜、過去と今などあれこれ飛んでいまどきの小説なのだろう。奄美の離島での「毒流し漁」(これは漁としては禁止されているはずだが・・)。

水産資源保護法(昭和二十六年十二月十七日法律第三百十三号)
(漁法の制限)
第五条  爆発物を使用して水産動植物を採捕してはならない。但し、海獣捕獲のためにする場合は、この限りでない。
第六条  水産動植物をまひさせ、又は死なせる有毒物を使用して、水産動植物を採捕してはならない。但し、農林水産大臣の許可を受けて、調査研究のため、漁業法第百二十七条に規定する内水面において採捕する場合は、この限りでない。
第七条  前二条の規定に違反して採捕した水産動植物は、所持し、又は販売してはならない。
(公共の用に供しない水面)

by kogure613 | 2013-05-23 23:41 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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