青年団第71回公演『もう風も吹かない』AI・HALL
2014年 01月 26日
2014/1/25(日)
AI・HALLへ。いっぱいの観客。
オルガンか何かの音が漏れているかと思ったらアコーディオンの練習だった。
そのアコーディオンで余興の練習をするのだが、これがなかなかに面白く、本格的なもの。
青年団でこういう歌と踊りが入っている作品って他にどんなのがあったのかと思いだそうとするが思い出せない。
青年団第71回公演『もう風も吹かない』、作・演出:平田オリザ、2時間。
開演の20分前の開場。通常使用の入り口は閉まっていて、帰りにあく出入口のみの入場。その効果かどうか分からないが前に座る人が多い。
すでに3名ほどの登場人物がいる。はじめて青年団を観る年配のグループですこし戸惑いあり。客が前を通るので、その様子を観ている。
2003年に当時平田さんが教えていた桜美林大学の卒業公演のために書かれた群像劇。岩松了の『アイスクリームマン』などを思い出す。
青年海外協力隊の制度改革の委員をしていたためにこの作品ができたという。20年後ぐらいの近未来。いまだとあと10年先ぐらいなのだが、設定などは変えていないらしい。『東京ノート』とも通じるし『北限の猿』の感じにも似ている。
ポルトガルが没落したこともあって、ポルトガル領の植民地だった国が悲惨だった話が日本のJICAのあり方(もちろん架空の設定だが)と通じている。マンガやアニメ、ソフトボールや俳句など文化支援についての意味も問われているのは文化政策を考えるためにも大事。
2時間は、多数の人たちが出ているので、その会話がいっぱいあって退屈することもなく、充実した観劇をさせていただいた。
職員になっている歳の離れた先輩たちの苦い教訓や、合宿時には近い先輩がいないためにつねに振り出しに鳴る問題点などが浮かび上がる。外務省からの天下り理事の話などは政府機関に関係してきた平田さんならではだし、外務省からJICAに出向してきた女性職員と語学教師との英語でのやりとりとか、はっとするところもある。