アール・ブリュット☆アート☆日本2展
2015年 02月 26日
2015/2/26(木)
あいにくの雨だが、この展覧会『アール・ブリュット☆アート☆日本2展』を見て書く3/2締め切りの原稿があるので、近江八幡市へ向かう。
社会福祉法人グローからのドキュメント制作に係る原稿依頼である。
原稿は、翌日「近江八幡地域と呼吸する芸術場NO-MAのいま」と題して、以下のような感じで1575文字書く。
『アール・ブリュット☆アート☆日本2展』は、去年に開催された第1回目と同じく、滋賀県近江八幡市の歴史的地区にある町屋をつないで開催され、織田信長も参加したという「左義長まつり」とともに、春の兆しを告げる美術展となっている。企画の中心主体、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAは、障害者などによるアール・ブリュット作品とその研究を蓄積する芸術場である。
この展覧会は、NO-MAの蓄積をもとに、観光で訪れる人びとに向かってアール・ブリュットの魅力を伝えるイベントである。同時に、アール・ブリュットや現代アートに関心の深い美術愛好家に対しては、NO-MA以外の展示場所を探すために散歩することによって、ここの歴史や町屋景観の保存活用価値について再認識してもらう絶好の機会でもある。
今回の展覧会にも様々な魅力があったが、特に地域との関係で気づいた以下の三点を挙げたい。
・・・・・(以下略)・・・・・
大杉町から、近江八幡市立かわらミュージアムで全国公募のかなりの数の作品にまず出逢う。知的障害者以外からもずいぶん増えて多様であるが、逆に、繋がっているような共通性もあって(影響とかではなく)、それが実に飽きない。ただ、NO-MAでやっているアドルフ・ヴェルフリの影響を受けている作者もいたりして、セルフトート(正式の美術教育を受けていない)の意味と継承や影響はないというようなアーツ・ブリュットについての定説なども、いろいろ考えなおしてもいいのかも知れない。
そのあと、少し迷って、旧吉田邸。町屋は土間や客間、様々な違う空間があるので、展示するキュレーターさんたちは楽しくあれこれ悩み工夫していることが、ここだけではなく、すべての町屋に感じられる。
八幡掘を渡って、鑑賞無料の「町なかショーウインドウ展示」を5ヶ所とインフォメーション(旧八幡郵便局)を巡る。新しい試みで、文具店は店内ので、すこし買い物もする。間に、カネ吉別邸、尾賀商店。NO-MAの前に、奥村邸。そして、すべて遮光しているNO-MAのアドルフ・ヴェルフリ世界へ。薄暗い精神世界へ入るが、意外と明るい色彩のものもある。
ボランティアは83名にも上り、年配の地元の方々のほか、高校三年生で米原から来た生徒がいたり、熱心に作品を理解しようとしている中年の女性がいはったりして、そこに自然と会話が生まれる時にこの展覧会の意味もあるなと感じる。
最後に、厚労省の補助金で行われた旧伴家住宅の「シガカラー Shiga Color」。滋賀在住の9人の作品展。ここは有料で施設見学する場所(あと2ヶ所入れて200円)だが、この展示だけということで、無料で入ることが出来る。
アール・ブリュット☆アート☆日本2 | ボーダレス・アートミュージアム NO-MAhttp://www.no-ma.jp/?p=10431 より
<アドルフ・ヴェルフリ / 井上優 / 岩城敏夫 / 岡元俊雄 / 狩俣明宏 / 川上敏郎 / 木代至子 / 倉田祐子 / 古久保憲満 / 齋藤勝利 / 芝田貴子 / 舛次崇 / 新屋喜生 / 杉本たまえ / 高岡源一郎 / 高橋信之 / 谷口ちよ子 / 中川正信 / 西本政敏 / 東恩納侑 / 藤田千香子 / 戸次公明 / 水村英喜 / 宮川佑理子 / 「アール・ブリュット作品全国公募」入選作家 他>
<日本のアール・ブリュットの多くは福祉の現場から発見されてきました。自分のこだわりに忠実に、そして切実に表現していく彼らの行為は、彼らの気持ちや考えを知る、言葉以外のもうひとつの方法でもあるのではないでしょうか。
私たちの予測を超え、意表を突く表現の数々は、見えない世界を顕在化させ、私たちの考えや意識を深く押し広げるきっかけを与えてくれます。アール・ブリュットの作り手たちによる表現行為は、まさに見える世界と見えない世界を行き来する彼らの冒険の軌跡と言えるかもしれません。
本展では、日本のアール・ブリュットとともに、ヨーロッパの著名なアール・ブリュット作家アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)の作品26点を特別展示いたします。ヴェルフリもまた、見える世界と見えない世界を縦横無尽に旅した作家です。彼はその旅を『揺籠から墓場まで』と題した2,500枚にも及ぶ架空の冒険物語として描き出しました。世の中が第一次大戦に向かう中、孤独の中に生きたヴェルフリの夢や欲望が投影されたこの壮大な冒険譚は、アール・ブリュットを提唱した画家ジャン・デュビュッフェをはじめ多くの人の心を捉えました。
今展では、長い年月を経てもなお、世界中の人々を魅了し続けるアドルフ・ヴェルフリの作品と数多くの日本のアール・ブリュット作品を、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAを拠点に情緒あふれる界隈で展示し、滋賀、近江八幡から国内外へ向けてアール・ブリュットの魅力を発信いたします。>
by kogure613
| 2015-02-26 20:00
| こぐれ日録
|
Trackback
|
Comments(0)

