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末延芳晴『原節子、号泣す』 引用メモ

読了
メモ


★ 末延芳晴『原節子、号泣す』集英社新書、2014年
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0742-f/

<涙が表す「幸福の限界」とは!?
小津映画、世界的普遍性の謎を読み解く。
 代表作『東京物語』が、英国映画協会発行の映画雑誌「Sight & Sound」による二〇一三年アンケートで世界の映画監督が選出したナンバー1映画になるなど、小津安二郎は今なお注目を集めている映画監督である。その小津作品の中でも頂点と評されるのが紀子三部作、『晩春』『麦秋』『東京物語』だ。各作品のフィナーレに近い場面で、ヒロインを演じた女優原節子は全身を震わせて泣き崩れる。
 小津が、不滅の名を残し得たのは、この三本の映画のフィナーレで原に号泣させたからだといっても過言ではない。「泣く」という行為を切り口に、幸福の限界、幸福の共同体の喪失、という小津映画の主題と思想的本質に迫る画期的評論。>


★ 『原節子、号泣す』を読む http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20150210/p1
<小津安二郎は、その監督生涯を通して一番多く女優を泣かせた監督であった。
‥‥‥という一文で始まるユニークな小津安二郎論、『原節子、号泣す』(末延芳晴、集英社新書、2014)を読んだ。>

<小津はそれを見抜いた上で、『晩春』『麦秋』『東京物語』といった「一見温和で平静な作品」において原の演技を厳しく制限し、彼女の「内に蓄積させた暴力的エネルギー」を最後に「号泣するという形で爆発的に放出させた」。
筆者はこれまで巷に流布している原節子のイメージを、緻密な検討と鋭い洞察によって覆していく。こんなスリリングな原節子論(及び小津映画論)、今まで見たことがない。>

<『晩春』の中のあるシーンについて、原節子演じる娘が笠智衆演じる父に対して「性的結合願望」を抱いているのではないかという推測がこれまでなされてきた(高橋治の『絢爛たる影絵』、蓮實重彦の『監督 小津安二郎』など)ことに対し、「誤読」と退け、もっと大胆な読み取りをしているところが、個人的には本書の白眉である。
筆者が原節子の中に見ているのは、父親が大好きでお嫁に行きたくない娘の「近親相姦」願望などではなく、もっとねじくれた「復讐」感情。前後のシーンの分析と合わせて、説得力があった。例の「壷」についても「あっ、そういう解釈があったか」と思わされた。
小津映画の入門書としても優れていると思う。読むに当たってはやはり『晩春』『麦秋』『東京物語』を観ていることが条件になるが、それ以外に『東京暮色』『秋日和』『小早川家の秋』、上述した黒澤明の作品、山中貞雄の『河内山宗俊』(15歳の原節子がめちゃくちゃ可憐)などを観ておくと、もっと楽しめる。>


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by kogure613 | 2015-10-26 09:54 | 情報収集 | Trackback | Comments(0)

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