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ブルーエゴナク(北九州市)『AGAIN/やりなおし』アトリエ劇研

2015/12/27(日)
11:03ぐらいから75分。2015年最後の観劇。
演劇のこれからへの期待と希望。
とくに、各地(ブルーエゴナクは北九州市拠点:日田市とか福岡市とかの役者も集まっているようだ)の演劇水準の高さを知ることもできて、とても嬉しく、京都がそのハブになりうればと思ってうきうき帰った。半分は仕事が当分ない開放感もあったがw

アフタートークも向かい合って面白かった、穴迫信一さんと合田団地(努力クラブ)さんとのやりとり。北九州市のご当地的演劇ではないが、京都市よりもよりコンパクトな小倉地区あたりの距離感、空地感が自ずと出ているのかも知れない。博多よりもより荒々しい街でもあるし。紫川に魚町商店街。

ブルーエゴナク第九回本公演、アトリエ劇研創造サポートカンパニー公演『AGAIN/やりなおし』作・演出 穴迫信一。アトリエ劇研で創った作品だからまだ本拠地では公演していないという。そういえば、KAIKA近くの松原京極商店街での作品もドキュメンタリータッチだったので、社会派でありつつ面白い要素もちゃんとあるスタイルでしかもサイトオリエンテッド(その場所ならではの創り方)が特色のようだ。

アトリエ劇研。取り囲む椅子。音響照明がある2階を梯子で上がったり降りたりするので使う(少しだけそれを見づらい席あり)。

ゴミ屋敷にいるはずの「青木さん」(みたいな人)。高校時代の青木さん、大阪さん(教師だった人?)が連れてくる青木さん。青木さんはしゃべらない。高校でもずっと。高橋くんは、森さん(彼女だけファーストネームが登場しないのは高校の思い出がないからか)と付き合っているのに、青木さんの存在がアディクション化しているようだ。
それは、かばっていて、ゴミ屋敷から脱出させようと冒頭、イタチの話などを無駄に長くしゃべる道鳥(どうとり、って名字あるんかな?)さんもそうだ。谷口くんは高校時代にラップを書きつけて、高橋くんを誘う。ラップ、ヒップホップが御詠歌のように聴こえるのは主題のせいか。
ところで、ブルーエゴナクってどういう劇団名の由来があるんかな?

《出演》 
道鳥かない・・高山実花(モンブラン部) 
森・・高野桂子 
高橋慈・・田島宏人(演劇ユニットそめごころ) 
大阪ヒロミ・・脇内圭介(飛ぶ劇場) 
青木さん・・平嶋恵璃香(ブルーエゴナク)
谷口朝生・・穴迫信一(ブルーエゴナク)


http://egonaku.wix.com/again より
< 一番最初の最初、AGAINという呪文は、演劇家としての自分にかけられるべき言葉として思いつきました。まだ全然演劇のことなんて分かっていないのだけどそんな自分でもかっこいいとかっこわるいの区別をするし、面白いと面白くないの区別をするし、信用出来ると信用出来ないの区別をします。でもその感覚(sense)ごと今までの自分を見直してやりなおそうと、最初の一歩のように作ろうと思ったのが「AGAIN/やりなおし」のはじまりです。
 だからといって僕の話は出てきません、そういう意味ではなく例えばそうやって自分の中で無/意識に選ばれたというか浮かび上がったともいえるその単語を信じて作品を作ろうと思ったという事です。againという響きだけが筆を動かしているような稽古場に響いているような、そんな状況です。だからつまり''やりなおし演劇’’も危ういところです。意味としてのやりなおしは今回の創作条件の中ではあまり目立たないところにいます。やりなおし、の意味ではなく字面や語感だけをモチーフとして借りているような、 そんな状況です。なんとか伝わっていますでしょうか。
 ところで僕は音楽を聴きます。音楽を聴くことは気持ちのいいことだと僕は感じているのですが、そういう演劇が作りたいと最近すごく考えるようになりました。音から考えてみる、役者さんの発する台詞のビート感を考えてみる、それがまず自分にとって気持ちいいのかを稽古場でひたすら聴いています。気持ちのいい音(無音)、台詞(間)ができてしまえば、あとはそれに必然性のある、もしくはまるでないビジュアルやシナリオを後付けする。でもいいんじゃないかと。うん、そこまでは割り切れてませんが。
 あとは観ていただきたい、その後にちょっと考えたりしてもらいたい。泣けるパーカッションや痺れるギターのフレーズに勝るとも劣らない俳優の、演劇の、人間の、愛す/憎むべき一瞬について。>

by kogure613 | 2015-12-27 22:33 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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