村上春樹『1Q84(イチ・キュウ・ハチ・ヨン)』のBOOK3まで読み終える。数年前、あるゼミ生が、この本を読んでいるというコメントを見て、古本で買っていた。発行社は、新潮社、2009年にBOOK1とBOOK 2が同時、BOOK3は2010。発行時に読んだ人は、少しのタイムラグがあったことになる。主人公の青豆と天吾は同い年で、1954年の生まれ、1984年の物語なので30歳になるかならないか、というところ。だから、自分も1984年には29歳だったわけで、同年齢の話といえる。たぶん徳島市役所から沖縄開発庁に移った頃、住まいは船橋市行田の公務員団地。
いままで、村上春樹さんの本は、評判になったので読むという程度だったが、最近、藤沢周平をすべて読んでから、直木賞的小説に少しずつ手を出しているので、日本の小説界にもある程度興味が湧いている。桐野夏生、東野圭吾、水村美苗、辻村深月・・・
平野啓一郎さんも最近のは読みやすい。でも、村上春樹さんの短い文を的確に連ねる文体は確かにうまいなといまさら思った。
BOOK3のp481 川奈天吾の父親の直葬の様子:
< 火曜日の朝、天吾と安達クミの前で棺が閉められ、釘を打たれた。そして霊柩車に乗せられた。霊柩車といっても、病院から葬儀社まで遺体を搬送したのと同じ、きわめて実務的なトヨタのライトバンだった。車輪つきのベッドが棺桶にかわっただけだ。たぶんそれがいちばん安あがりな霊柩車だったのだろう。そこにはおごそかな要素はまったくなかった。『神々の黄昏』の音楽も聞こえてこなかった。とはいえ霊柩車の形状に関しても、天吾が異議を唱えるべき理由は見当たらなかった。…>
<…その日、火葬場はそれほど忙しくなかったのだろう、待ち時間もなく棺はそのまま高熱炉に運ばれた。棺が炉の中にしずしずと送り込まれ、潜水艦のハッチのような重い蓋が閉められた。手袋をはめた年配の係員が、天吾に向かって一礼してから、点火スイッチを押した。安達クミがその閉じられた蓋に向かって両手をあわせ、天吾もそれにならった。>
家を6時すぎには出たので、姫路駅に8時半前に着く。
100円で巡回するバス(姫路城ループバス)の始まりは9時なので、すこし待って、お墓へ。
着くとすぐに回向をするという。周章ててシキミと蝋燭、線香。
10:09に、清水橋(文学館前)からバスで駅へ。東急ハンズとGUで芳江が買い物。お昼は中華。