桐野夏生『柔らかな頬 上下』 <ザ・フォークソング~青春のうた~#2>茶木みやこ、小室等
2016年 10月 17日
2016/10/17(月)
18時から、志縁堂2016の実行委員会。
12/11が本番。今年は、京都駅南のイオンにて(実は去年は行けなかったので初めて)。
帰って、日曜日の録画を観る。
茶木みやこ「一人の道」はとても懐かしかった。
小室等「比叡おろし」も同じくやけど、違う歌手のものかと錯覚していた。小室さんの「死んだ男が残したものは」(1965年、武満徹作曲、谷川俊太郎作詞」では、強い気持ちが表出されていた。六文銭09で「雨が空から降れば」別役実・作詩 小室等・作曲 六文銭。
ピンク・ピクルスについては、かなり記憶がぼんやりしている。<ザ・フォークソング~青春のうた~「#2」午後10:50~ https://bh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20161016-10-03272&pf=p
[BSプレミアム]
2016年10月16日(日)
【出演】小室等,ばんばひろふみ,ピンク・ピクルス,森山良子,六文銭’09,なぎら健壱,坂崎幸之助,泉谷しげる,【司会】南こうせつ,黒崎めぐみ
http://www.oricon.co.jp/news/2077631/full/
<ピンク・ピクルスは、国民が日本万国博覧会(大阪万博)に沸いた1970年、同志社女子大学に在学中だった茶木みやこ(66)と小林京子(65)で結成。1年限定の活動のはずだったが、71年に大阪MBSラジオで紹介された「僕にさわらせておくれ」にリクエストが殺到したことがきっかけとなり、同年3月にメジャーデビュー。翌年に「天使が恋を覚えたら」を発売後、解散した。
全国的に注目されたのは、解散後の72年に発売された「一人の道」だった。64年の東京五輪に出場し、銅メダルに輝きながらも27歳の若さで自殺した伝説のマラソンランナー円谷幸吉さんの遺書を元に、孤独のランナーの苦しみと両親への思いを歌った。>
読み終わっていた桐野夏生さんの小説(藤沢周平をすべて読んだので、その後釜の一人)。
『柔らかな頬 上下』(文春文庫、2004年、1999年単行本)。直木賞受賞作。装画・水口理恵子、装丁・大久保明子。桃に蟻。頬には羽蟻。
比較的暗いところだけを動く小説ではないので、直木賞的なのかも知れない。
元自衛官、元警察官を描くところとか、いろいろ鮮やかに人物が見えるあたりがさすがである。北海道の冬が見えるようだ。
桐野ワールド、沖縄へもいくし太平洋の孤島にも飛ぶし、すごいよなあ、そのそうぞうにおける測地力。
引用
< 桐野夏生は、この小説を「留まらない人」の物語、あるいは「留まる人」の物語として書いたように思う。主人公のカスミは、北海道の海辺の寒村で食堂を営む両親の元から、高校生のとき、東京へと家出してきたとされている。そこで夫と知り合い、また、同時に男と知り合う。しかし、男とは仕事上のつき合いだけであり、長い年数が経ってから交際を始めたとされている。ふたりは互いの家庭を持っているのだけど、その家庭を壊してでも、どこか別の場所に行きたいと思っている。だから、男が用意した別荘に、互いの家族を伴ってでも行き、共有の時間を過ごしたいと願ったわけであり、また、そのために互いの家庭が壊れてしまっても構わないとすら思い詰めている。
しかし、ここで女の娘の失踪という事件が起きてしまう。怪しいものはたくさんいるのだけど、しかし、誰も犯人であるという決め手には欠ける。小説は、ここから男と女の離反を巧みに描く。女は、捨てても構わないと思い詰めていた娘の失踪に強いショックを受け、「留まる人」となる。一方、男は裏切った家族のために、女から離れるのだが、やがて「留まらない人」となって、放浪に出てしまう。
小説の途中から登場する元・刑事は余命幾ばくもないガン患者として、女と「留まらない」道を歩こうとする。この、失踪した娘に「留まる」女と、女と行動を共にすることで、死への道を「留まらない」で歩こうとする元・刑事の奇妙な同行は、とても深い人間の関係性への洞察があるように思う。
ある謎が人間の人生に与える影響ということ。この小説では、登場人物たちが、自分たちの人生に、突然、降りかかってきた謎を生きているのだ。
この小説は「反ミステリー小説」であると思うのだが、むしろ、読者が「ミステリー小説」に自動的に期待していた謎の解明というカタルシスを、その謎とは、小説に取って、読者に取って、とりわけ登場人物に取って、本当はどういうことなのかという側面から取り上げることで、謎の解明というカタルシス以上のカタルシスを与えてくれる小説であると思う。>


