山田順『地方創生の罠』
2016年 11月 25日
2016/11/25(金)
いま読んでいる新書、山田順『地方創生の罠』(イースト新書、2016年)。ふるさと納税制度の矛盾・問題など結構具体的で為になる。
【参考】地方創生の罠(わな) 山田順 著 東京新聞2016年9月18日 http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2016091802000176.html
[評者]沼田良=政治学者
地方創生の政治過程を、都市部の納税者はどのように見ているのか。本書の問題提起は、それを探る好材料である。論証の過不足を措(お)くならば、施策の前提に織り込みたい辛口の指摘が満載だ。
本書によれば、地方創生は稀代(きたい)の愚策である。安倍内閣による公費のバラマキが、自治体の国依存を助長させ「地方消滅」を加速する。したがって国はバラマキ振興策をやめ、自治体は適正規模にダウンサイズして生き残りを図るべきだ。財政破綻後の夕張こそ教訓になる、という。いわゆる低位安定の路線か。
以下の二点が気になった。第一は、ゆるキャラなど周辺現象の記述に比べて、創生策プロパーの分析がやや手薄なことだ。水増しの人口ビジョンと総合戦略を自治体に作らせて新型交付金を撒(ま)く。移住・仕事づくり・働き方改革は人口減少対策になるのか。一極集中を是正すべき「創生本部」をなぜ東京に置くのか。この政策体系は幾重にも難題を抱える。
第二に、本書の低位安定案でもなお十分とは言い難い。創生策は当初、人口問題等の改善によるバラマキの抑制を狙っていた。成果の出た自治体を選択し、国の支援を集中するからだ。しかし現状は「新しいバラマキ」を生み出すなど、目標と結果が転倒しつつある。問題の核心はここにあるだろう。この惰性に終止符を打つための処方箋こそが待たれる。(イースト新書・980円)<やまだ・じゅん> 1952年生まれ。作家・ジャーナリスト。著書『円安亡国』など。
アバンティの本屋で、手帳と5年連記の日記、それと、ユリイカ増刊号でシン・ゴジラ特集をしていたので、それも衝動買い。
18時半から、都市政策研究推進委員会。この委員会は久しぶり。
12/4の直前準備など。12月の土日ってなんだかいろいろ詰まっている。
学部長と学生部長とでは、どっちがあれこれ忙しいかといえば、学部長だし(会議は学生部長も多く招集がかかるがよくバッティングするので逆に助かる)、やはり、どこか、学部のパフォーマンスがずっと気になってしまうのが、プレッシャーとなる。
それは、就職率だったり、退学率(もちろん下がるのがいい)だったり、入試関係では、競争率とか偏差値とかになる。
今年度は、18歳人口が増えた珍しい年だということとか、社会科学系人気が戻ったとかで、この前の推薦入試の結果が公表されたのでメモっておくが、経営学科だけではなく、都市環境デザイン学科でも、競争率が上がっている。人口減少が本格化するのはもうすぐなので、2017年度入試がピークだったねとならないとも限らないが、とりあえずは、この調子でねと祈るばかり。
2017年度 公募制推薦入試結果 http://www.tachibana-u.ac.jp/admission/information/result/result_2017/
経営学科 5.4倍 (2016年度2.6倍 2015年度2.2倍 2014年度2.9倍)
都市環境デザイン学科 4.1倍(2016年度2.0倍 2015年度2.2倍 2014年度1.7倍)