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桐野夏生『錆びる心』 松田定次『赤穂浪士』

2016/12/19(月)

桐野夏生『錆びる心』(1997年単行本)を読んでいる。電車の中では短編がいいな。藤沢周平さんをすべて読んでしまっていて、そのあとの短編作家になかなか出会えない。桐野さんでもいいのだが、読後感が寂しいのが玉に瑕。でも、うまいなとは思う。

「虫卵の配列」「羊歯の庭」「ジェイソン」「月下の楽園」「ネオン」「錆びる心」。

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映画というのは、冒頭を見ただけだと、前に見たかどうかが分からないのは、その映画の中にひり込めていないからだということを読んだが、確かにそうだ。演劇では、幕開き一分間勝負というやり方もけっこうあるが、映画は徐々に流れを作るのだろう。

録画していて見出した東映の松田定次『赤穂浪士』(1961年)もそうで、妻のほうが先に見たよといいだし、ようやく僕も思い出した。

3回生ゼミ、韓国の大学に留学していた学生が帰っていて、けっこう活発な話し合いとなる。来年度は、もうすこし卒論への着手を早めねばとまた思う。

今年度の2回生ゼミ。いつも以上に真面目なので、ずっと教科書読みを続けていたが、まあ、息抜きと、小津安二郎「彼岸花」で正面バストショット切り返しを山本富士子さんで見せて、山本富士子さんのインタビューへと続ける。

まあ、ちょっといまの学生たちには興味なさそうではあったが、黒沢清『クルーピー』で、夫婦の会話の撮影が20分すぎの普通の感じと、1時間すぎの小津的切り返しの効果というところで見せるとわりと興味を持つ。でも、感想を書かせると、小津映画のいつもの反応があって、つまり、今の映画よりも映像が変だとか、演技が下手だとかいうものとか、昔の映画一般論としていまの映画は昔よりずいぶん進化して素晴らしいとかになるから、いつもながらのものに。そのあと、映画『人生、いろどり』の40分。残りは来週。


by kogure613 | 2016-12-19 22:40 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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