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渡辺源四郎商店第25回公演/なべげん日曜劇場『俺の屍を越えていけ』DVD視聴

2017/1/28(土)

津あけぼの座で購入していた劇団、渡辺源四郎商店さんのDVD『俺の屍を越えていけ』を鑑賞する。70分なのにとても濃密。観終わって感涙。

あとでこの戯曲が全国各地で上演され続けているというのは実に納得できるし、2002年当時のリストラ状況や地方都市の縮小など、時代は全然良くなっていないこともまたその理由の一つだろう。

主役の三沢(青森市のARBという放送局のラジオ番組を作っている新人さん)役がダブルキャストでDVDでは、音喜多咲子さんがやっていて(津で観たときは、中心の三上さんと工藤さんに対してコンビニお姉さんとか戦闘員確保キャラとかしていた)、我満さんバージョンは2分ほどだが別に入っている。三沢が主役と書いたが、6名の密室劇なのでそれぞれの立場とふるまいの個性が描かれている。更にアナログの技術部のムナカタ部長についても、登場しないが、その振る舞いや言葉が間接的に鮮明に見えてくる。また、退職して東京に帰るという若手のウツノミヤさん(昨夜の送別会の他愛もない話から入る)も、きっとこういう状況だったんだろうなと想像できたりする。

「つるし」といっていたのは業界用語みたいで、スポンサーの付かない番組のことらしく、テレビなどでも問題がでてACジャパンになったりするのと同じ処置になっているのだろうか。

青森の民放には、青森放送RAB、青森テレビATV、それに青森朝日ABAがあるようで、RABだけにラジオ局がある。お芝居ではフィクションとしてのARBで、どうも青森りんご放送のようらしい。

渡辺源四郎商店第25回公演/なべげん日曜劇場『俺の屍を越えていけ』(70分、平成28年度アートで音楽のあるまち青森 文化芸術創造活動助成事業)

会場:渡辺源四郎商店しんまち本店2階稽古場

作・演出:畑澤 聖悟

出演:三上晴佳(郡山、アナウンサー)、工藤良平(東根、組合青年部長、営業部)、音喜多咲子(三沢、ラジオ制作部ディレクター、ダブルキャスト:我満望美)、佐藤宏之(テレビディレクター)、夏井澪菜(松島、報道部)、野倉匡泰(北上、組合員、技術部)

2002年の初演から密室会議劇の真骨頂と評判を呼び、今なお全国で上演され続けている畑澤聖悟の人気戯曲を畑澤自身の演出で上演。短編版が日本劇作家大会2005熊本大会・短編戯曲コンクール最優秀賞を受賞。

ドラマターグ・演出助手】工藤千夏

【音響】藤平美保子

【照明】中島俊嗣

【美術】山下昇平

【舞台監督】中西隆雄

【宣伝美術】工藤規雄+渡辺佳奈子

【主催・企画・制作】なべげんわーく合同会社


http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1225172449.html
 より

<あるローカル放送局の会議室に6人の若手社員が集められた。彼らは社長より密命を与えられている。

 入社二年目、制作部の三沢のいる会議室に、三年目の報道部、松島が入ってくる。陽気に話す二人だが、どこかしら気が重そうだ。三沢と同じ入社二年目、技術部の北上(玉置玲央)は、純朴な組合の青年。次にあからさまに不機嫌なアナウンサー部の郡山、若手で一番のやり手で、三沢の上司にあたる制作部の本荘(原田紀行)も入室してくる。最後に正義漢の組合員、営業部の東根が、大口の営業を成功させたと入室し、全員がそろった。

 ●●●を1名、この場で決定しなければならない。かくして気の重い話し合いが始まるのであった。

・・・・

 会議室を舞台にしたワン・シチュエーション会話劇です。「こういう話し合いがあること自体が、いけないことだ」と誰もが思っているのだけれど、会社勤めのサラリーマンは上司の強い要求には逆らえません。登場人物それぞれの葛藤は納得のいくものばかり。現実をしっかり見つめて筋を通しながら、主張も堂々と盛り込んだ戯曲でした。作家の男気を感じます。>


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by kogure613 | 2017-01-28 22:14 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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