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加藤健一事務所『喝采』『誰も喋ってはならぬ!』

2017/11/29(水)

山科区椥辻にドンキ。

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舞台プロデュース論。

臨時学科会議。

学生部委員会。

大学院リサーチプロジェクト。

帰って録画チェック。

北海道東川町、「君と、君の椅子の12年」

加藤健一事務所『喝采』『誰も喋ってはならぬ!』。『喝采』は授業で使えそう。

NHK-BSプレミアムステージで、加藤健一事務所の舞台、『喝采』『誰も喋ってはならぬ!』2本一挙放送!

https://spice.eplus.jp/articles/155514

11月のプレミアムステージは、 加藤健一事務所の舞台を2本立てで。

1本目の『喝采』は、いわゆるバックステージものだが、飲んだくれてアルコール依存症になったかつての名優・フランク(加藤健一)が、妻・ジョージー(竹下景子)の献身的な支えで、再起の一歩を踏み出せるかというヒューマンドラマである。

舞台の初日間近に主演俳優がいなくなって、関係者は顔面蒼白。演出家のバーニー(山路和弘)は、代役に往年の名優・フランクの起用を思いつく。しかしフランクは酒びたりで、仕事もすっかりご無沙汰だ。プロデューサーのクック(大和田伸也)は懸念するが、バーニーはブランクを感じさせない実力を発揮できるとフランクをその気にさせ、説得に成功。不安に背を向け、新人女優のナンシー(寺田みなみ)と稽古に励むフランク。しかし、初日の劇評にフランクはナーバスになって……

誇りはあれど、長いブランクと寄る年波に「弱気の虫」が顔を出すフランクの微妙な心理を加藤が熱演。一方、色褪せた夫婦生活に人生を見失いかけていたジョージーにとっても、夫のカムバックは人生立て直しの千載一遇のチャンス。叱咤したり励ましたり、竹下の葛藤表現にもご注目。そんな夫婦の間に立つバーニーは、離婚訴訟中ながら何やらジョージーに……

3人の複雑な思いと関係性の変化に、脚本家アンガー(浅野雅博)や舞台監督ラリー(林次樹)ら、ベテランが絶妙に絡んでいく。

もともとブロードウェーのヒット作で、クリフォード・オデッツ原作。ビング・クロスビー、グレース・ケリー、ウィリアム・ホールデンら出演で映画化された『喝采』(原題『THE COUNTRY GIRL1954年・米)を思い起こすご年配や名画ファンもいらっしゃるだろう。本作は、文学座の松本祐子による演出。今夏、本多劇場(東京・下北沢)で公演された。

2本目の『誰も喋ってはならぬ!』は、アンコール放送。2016年初冬に本多劇場で上演、今年3月に放送された。フランスの人気劇作家、フローリアン・ゼレールのコメディー。

長年探していた幻の名盤レコードを、ノミの市で手に入れてゴキゲンのミッシェル(加藤健一)。ウキウキで帰宅するや、妻のナタリー(島田歌穂)にいきさつを語り、音盤をステレオにセット。さあ、夢にまで見たリスニングタイム……となるハズが、ナタリーは浮かない顔で「話があるの」。どうもワケありのよう。聞いてるフリで、早々にレコード鑑賞しようとするも、こんな日に限って、立て続けに邪魔が入って……

水漏れの工事修理でやってきた配管工・レオ(新大久保鷹)に始まって、離れて暮らしている息子のセバスチャン(中村龍介)の突然の帰宅、水漏れ騒動で階下の住人・パヴェル(渡辺徹)が居座って長話し……と、いった具合。あろうことか、愛人のエルザ(加藤忍)までもが押しかけてきて、ゆったりリスニングどころではなくなってしまう。

どうして、こんなことに? なんて日なんだ! さらに、親友のピエール(天宮良)が訪れて、事態は修羅場へ……!? はたしてミッシェルは、名盤を鑑賞できるのか?

カトケン事務所お得意の、海外のウェルメイド・コメディーを、堤泰之演出で。いずれも達者な出演者で、登場するだけで笑いを誘ったり、ミッシェル・加藤との噛み合わないやりとりが絶妙だったり……。秋の夜長に、心ほぐれるステージをたっぷりと。 文=原納 暢子


by kogure613 | 2017-11-29 22:19 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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