熊澤尚人『ニライカナイからの手紙』、仙台シアターラボ『特別な芸術』ピッコロシアター中ホール
2017年 12月 03日
2017/12/3(日)
帰って、録画していた映画。いやあ、竹富島にまた行きたくなる。沖縄弁も聞きたい。
そして、しんみりといい映画だった。蒼井優さん。宮崎あおいちゃんとはまた別の魅力があって。
熊澤尚人(脚本も)『ニライカナイからの手紙』2005年、113分。IMJエンタテインメント / ザナドゥー
『ニライカナイからの手紙』2005年、113分。IMJエンタテインメント / ザナドゥー
<沖縄本島から、はるか南の八重山諸島。そのうちの一つである竹富島で、父の死後、郵便局長であるオジイと2人で暮らしていた風希。毎年誕生日に、東京で暮らす母から届く手紙は、風希を励まし、勇気づけ、彼女にとって何よりの宝物であった。
いつしか亡き父のカメラを手に写真の練習を始める風希。14歳の誕生日に20歳になったら全てを話すという内容の手紙が届き、その約束を信じる風希は高校を卒業して上京する。そして20歳の誕生日がやって来る。>
安里風希:蒼井優
安里尚栄:平良進 … 風希の祖父。
安里昌美:南果歩 … 風希の母親。
内盛海司:金井勇太
鳩山レイナ:かわい瞳
平良美咲:比嘉愛未
相葉幸子:中村愛美
崎山:斎藤歩
田中:前田吟 … 東京・渋谷一郵便局長役。
久しぶりに、がつんと来る、痛い演劇を体感した。
仙台の演劇、IQ150をすぐに思い出している。大体、対話劇以前というか以後と言うか、全くの真逆。幻想モノローグの交錯であるという先入見が強化されて。
仙台シアターラボ三都市ツアー『特別な芸術』ピッコロシアター 中ホール、80分 演出: 野々下孝、出演:山澤和幸、後藤史織、χ梨ライヒ、小出侑佳、野々下孝
<芥川龍之介のテクストをコラージュして描く、地方都市における芸術至上主義
打ちおろすハンマーのリズムを聞け。あのリズムが存在する限り、芸術は永遠に滅びないであろう
あの音が聞こえていた頃、彼の本に対する情熱は、彼に特別な芸術を植えつけた。
それと同時に、彼の読んだ本そのものは彼の心臟の中に、冷たい石を投げ込んだのである。
しかし、彼は鋭い理性と共に柔かい心臟の持ち主だつた。彼の鋭い理性は、彼の中に投げ込まれたその冷たい石を愛した。そして彼の柔かい心臟は、そのために隠された。人々は彼に鋭い理性と共に冷たい心臟を見出して、それを信じた。
しかし彼は、次第に彼の理性の衰えると共に、その調和を失い出した。彼にあの音が聞こえなくなったのは当然である。>