KERA MAP『グッドバイ』逢坂剛『リヴィツキー症候群』

2018/1/4(木)

部屋の片付けなど。ずっと家。

録画していたプレミアムステージの後半。『グッドバイ』。場面展開が多い喜劇。第1部よりも第2部が多く笑える。

160分(実際には休憩が間に入る)の長尺。KERA MAP『グッドバイ』原作:太宰治、脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ。

昭和23年、小説「グッド・バイ」は、太宰治が新聞連載を予定し13回分まで書いた時点で入水自殺を遂げ、絶筆となった。

田舎に妻子を残し単身東京に暮らす男・田島周二は、雑誌編集者という体裁の裏で闇商売でしこたま儲け、 はたまた何人もの愛人を抱えているという不埒な男。しかし一転、妻子を呼び寄せ闇商売から足を洗い、真面目に生きようと愛人たちと別れる決心をする。

田島が愛人と別れるため手を組む美女・キヌ子、彼の多くの愛人たち、そして彼らを取り巻く人々をKERAが新たな視点で描き出す。>

仲村トオル 小池栄子

水野美紀 夏帆 門脇 麦 町田マリー 緒川たまき

萩原聖人 池谷のぶえ 野間口 徹 山崎 一

読み終えた小説。短編5本。でもすこし長め。『牙をむく都会』で私立探偵・岡坂神策ものを読みたくなり、まずは初登場のミステリ小説を買った。詳しく内容を書いている人がいて、熱心なファンがスペイン物にもあるなあと思う。

逢坂剛『リヴィツキー症候群』講談社文庫、2003年1987年単行本。

<容疑者は本当に心神喪失状態なのか? 外交官殺害容疑で逮捕される大学教授は「自分はクリヴィツキー将軍」と言いはる。私立探偵・岡坂神策は容疑者の心に迫るが。精神医学と歴史をからめた連作集。>

http://profmoriarty.la.coocan.jp/es/books/shoukougun.htm より

<5編の短編が収録されているが、いずれもスペイン絡みの話である。この本の時点では岡坂は曙ビルという御茶ノ水駅近くの古い雑居ビルに共同事務所を構えている(後には「シャトー駿河台」という洒落たビルに住居を兼ねて移っている。このあたりの事情は長編小説『十字路に立つ女』に詳しい)。同じく曙ビルで事務所を構える桂本弁護士(時々岡坂に仕事を回してくれる)と美人秘書(神原佐枝)も登場して、以降のシリーズのスタイルが既に最初の話から出来上がっている。

 「謀略のマジック」は記念すべき岡坂神策初登場の一編で、太平洋戦争当時にスペインの秘密組織が日本のスパイ役となって暗躍したというエピソードと、岡坂の共同経営者の殺人事件が絡んで描かれる。著者のトクダネ取材がタイミングを逸して日の目を見なかったという苦い経験がこの短編に結実したとのことで、スパイ事件に関してもかなり深い調査がされているように思えた。

 『遠い国から来た男』と『幻影ブルネーテに消ゆ』は、元々岡坂物ではなかったとのことで、舞台も海外である。日本を舞台にした三篇の間に挟まれた間奏のようでもあるが、両方ともビッグネームが登場するオチがあって「スペイン内戦マニア」はニヤッとさせられるような、なかなかに楽しめる小編だ。

 『オルロフの遺産』はスペイン内戦時に暗躍したソ連の秘密警察NKVD(KGBの前身)の高級将校アレキサンダー・オルロフの亡命先、アメリカ議会での証言録を巡って起こる争奪戦が描かれる。大学教授に極左過激派や悪徳刑事が絡んで事件はあらぬ方向へ進んでいく。神田神保町の古本屋を舞台にしているのは、古書好きな著者の嗜好が強く出ているのだろう。

 表題作の『クリヴィツキー症候群』はソ連大使館員殺人事件の容疑者が自分はオルロフと並ぶソ連のスパイであったクリヴィツキーであると言い出したことに端を発する話。岡坂は以降コンビを組むことの多い精神科医の下村瑛子と知り合う。岡坂は40過ぎても独身であるが、周辺に女性の影がない訳ではない。ただし、過激なセックス描写は今までの岡坂シリーズでは一切出てきていない。このあたりは他のスペイン絡みの冒険小説とは一線を画している。どちらかと言えば短編らしく軽く読みやすい小説が多いと言える。>

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by kogure613 | 2018-01-04 21:53 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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