逢坂剛『遠ざかる祖国』 小暮はなLive in “Casa da Andorinha”~つばめの家で
2018年 02月 03日
2018/2/3(土)
本町駅から歩いて行くことができる、可愛いポルトガル料理屋さんでのライブ。
7曲がファドで6曲がオリジナル(すべて小暮はなの作詞作曲)。
月本一史さんのギターラ(何となくリュートみたいな形)が入るとぐっと鮮やかになる。
オリジナルにも2曲はギターラが入る(アンドリーニャとホタルの庭で)。
お店は燕がいっぱい。あと飾り付けされたニワトリなど。大きなカエルもポルトガル生まれなのだろうか。
お料理も美味しく、でも、鰯は節分で食べるかも知れないということでなかったので、また今度に挑戦しよう。
小暮はなLive in “Casada Andorinha”~つばめの家で
カーザ・ダ・アンドリーニャ(大阪市阿波座)
18時ジャストから、前菜、グラタン(たらの塩漬け=バカリャウ入り?)とサラダ、豆と肉、ソーセージの煮物(スープ)、パン・デ・ロー。アレンテージョワイン(赤)
月本一史(guitarra、ポルトガルギター)
19時半から21時すぎまで
1)かもめの住む街
2)MOJITO(モヒート)・・カイペリーニャ
3)Júlia Florista 花売りのジュリア
4)Silêncio 沈黙
5)Desengano(fadotriplicado) 苦い思い出 失望
6)アンドリーニャ
休憩
7)初恋
8)AVIA
9)Travessa daEspera 希望(期待、待つこと)の小径
10)Lisboa menina emoça
11)Vida Vivida(fadomenor)
12)Canto o fado
アンコール:ホタルの庭で
読んだ本、逢坂剛『遠ざかる祖国』上・下。『イベリアの雷鳴』で亡くなったとされるペネロペ・サルトリオが実は生きていたとかなるかと思ったら、この本では、イギリスの諜報員(MI6)が主人公、北都と接近し、抜き差しならぬ関係になる。
調べてみると、MI6の長官は、実在の人物(スチュワート・ミンギス大佐)だし、有名なフランコやヒットラーはもちろん実在。実在の人物と創作の人物が入り乱れ、もちろん実在の人物も想像力で動いている。こういうのは、歴史小説というのだったか、それとも時代小説なのか・・・
二重スパイに暗号の解読、防空壕・・・
逢坂剛『遠ざかる祖国』上・下(2005年、講談社文庫、2001年単行本)
<1941年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平(ほくとしょうへい)は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。日米開戦の阻止に動く大物日本公使、日本の暗号の解読疑惑、ナチス内部の暗闘……。現代史の裏面を織り交ぜながら、第二次世界大戦を圧倒的迫力で語るエンタテインメント大作!>
<『イベリアの雷鳴』の続編にあたる。逢坂氏のライフワーク第2弾。泥沼化する第二次世界大戦時のヨーロッパを舞台に、各国の諜報戦を描く長篇。中立国スペイン・マドリードでは、枢軸国側と連合国側で虚実入り乱れての壮絶な諜報戦が繰り広げられていた。そんな情勢の中で、日系ペルー人の宝石商である北都昭平は、イギリスの旅券管理事務所に勤めるヴァジニアといつしか恋に落ちてしまうのだが…。そんな折、ついに日本が真珠湾を奇襲し、アメリカが参戦、ますます予断の許せない状況に陥っていく。>
http://interestingnovels.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
西上心太さんという人の解説(下巻)から
p446<太平洋戦争時代の日本を舞台に描かれたエンターテイメントは多く存在するが、「複雑怪奇」なヨーロッパの動きを中心に描きながら、その視線の先に日本という遅れてきた帝国主義国家が苦闘する姿を浮かび上がらせるという、複雑で高度なテクニックがこの<イベリア・シリーズ>に用いられているのである。>
p447-8<逢坂剛は揺るぎない史実の大枠を崩すことなく、事実と事実の間に横たわる空白の部分に大胆な脚色をほどこし虚実の皮膜を縫った、スペイン初の第二次世界大戦諜報秘史というべき一大サーガを構築している最中なのである。>