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ブルーエゴナク『ふくしゅうげき 京都ver.』アトリエ劇研、KYOTO GRAPHIE02~05

2017/4/21(金)

2回目の行政学。51名、すこし減ったかな。今年は経営学科が少ないのが特色。そのかわり都市環境デザイン学科が多く、健康科学部からも受講あり。

終了後、先週のように、来週の近大のペーパーを2つ作ったあと、通し券(パスポート、前売2500)を黒船(おしゃれなカステラ屋さん)で買っておいた『KYOTO GRAPHIE 京都国際写真祭』を楽しむために、まず二条城へ行く。そう言えば、いまの閣僚の一人山本大臣が「学芸員ががん」と言って、その例示が二条城だったのかとあとで気づく。

実は、元離宮二条城に入ったことがなかったので、まずは、600円分の見学をする。

とても外国人の鑑賞者が多く、表記も案内も日本語よりも多言語が飛び交っている感じ。中国人たちかなと思ったら日本語でようやく日本人もいたねっというわけ。もちろん、高校生などの集団はいるが。

天守閣跡の見晴らしのいいところが特に気持ちが良かった。特別公開とか本物の展示館(100円)も行きたかったが、まずは、二の丸御殿台所東南隅櫓でやっているこのKYOTO GRAPHIE02、『アーノルド・ニューマン マスタークラスーポートレートの巨匠』へ。モノクロが大部分の世界の前に、カラフルなアンディ・ウォーホールのBMW塗がコントラストな展示になっている。

今回は、4箇所しか行かなかったが、展示の工夫がなかなかにあって、それがうまく行っているところばかりではないかも知れないが、評価すべき観点なのかも知れない。特に自分は写真芸術自体への造詣が殆どないこともあるし・・・

結構くたびれたので、七福神でラーメン。トロトロのチャーシューなどいい感じなのだが、私にはちょっと味が濃い、ということは妻を連れてきづらいなとは思って一服。

隣の京都市立芸術大学の堀川御池ギャラリーへ。

評判を少しだけ聴いていた、山城知佳子「土の唄」。KYOTO GRAPHIE03

「あなたの声が私の喉を通った」2009年にまず打たれる。3つある動画作品としては一番シンプルなのだが、自分的にはこのようなシングルに刺してくる方が好みなのだろうと思ったりする。「土の人」も部分はとても来るのだが、何かちょっと自分の神経との相性としては散漫になってしまうようにも思った。その間の「コロスの唄」。これは、静かな鍾乳洞の壁と中の映像の鮮やかさがうまく対比的に感じられて、ほっとする。でも、騒ぐ心を作ったのはたぶん「土の人」だ。

ここでは、市立芸大卒業生の展覧会もあって、それも鑑賞した。

グループ展「京芸 transmitprogram 2017

西太志(にしたいし)(油画),水谷昌人(みずたにまさと)(油画),迎英理子(むかいえりこ)(彫刻),矢野洋輔(やのようすけ)(漆工)

迎英理子さんは、インスタレーションで、パフォーマンス的映像とのリンクあり。

水谷昌人さんは、盛り上がる平面で絵画の中でも、糸とかそういうものをくっつけた世界。あえて小さくしているのだろう。

矢野洋輔さんは、木工かと思った。一番、理解しやすいタイプなのかも知れない。癒されるのが丸い木だし、幼児の記憶を引き起こされる感じがした。

西太志さんは、2階似合って、薄暗い照明。そういう工夫なのだろう。大きな画面。だいたい同じ大きさだったかも。20世紀少年のような仮面をかぶった人が多く出て来る。これも難しさからは遠いもの。

KYOTO GRAPHIE04は、初めていくところ。然花抄院。黒船と同じく、大阪の長崎堂の経営だそうだ。なんだか、大阪とは違うなあ。うまく京都と使っているということか。

そこの奥にある、ギャラリー素形(姿)にて、ジャダ・リバ。

The Yokohama Project 18672016 presented by Ruinart

古いアルバム写真を発見。横浜の物。そこで、今の横浜などを写して対比する。ガラスに昔、その前に今。<リパは現代の横浜で撮影を開始。それぞれの作品から、西洋の視点で捉えた日本の今昔と、時空を超えた対話>を。

KYOTO GRAPHIE05は、嶋臺(しまだい)ギャラリー。ここは日本酒とあったが、別の入り口から入ると結構広く使える画廊になっていた。ハンネ・ファン・デル・ワウデ「Emmy’s World

シーツの部屋、枯れ葉の部屋が印象的。枯れ葉をいま集めるのは大変だったのかどうか。

滅びゆく世界、死を目前にする男と女。でも、そこには確かな存在感、生命の輝きがある。じわっとくるのは自分も近いからだろうな。


すこし早めだったが、アトリエ劇研へ。

北九州から京都へレジデントして作っている、ブルーエゴナク『ふくしゅうげき 京都ver.』、19時すぎから80分。作・演出:穴迫信一。

構成が結構複雑。でも、中華料理屋(そのあとの定食屋)が舞台だし、すこし替わるが厨房と客席というのは日頃見慣れている世界なので、ドアとか椅子一つだけでも十分にその場を想像することができる。


高杉征司(サファリ・P、不倫オーナー)、田崎小春(牛尾)、佐々木峻一(努力クラブ、チーフの八田、父役も)、野村明里(久木、彼女は結構ナゾだった)、西村貴治(手品する厨房社員)、倉橋愛実(ホールバイト・趙)、小川晶弘(趙さんと相思相愛なのに・・気持ちのいいチョップ/ヲサガリ)、平嶋恵璃香(ブルーエゴナク、新人巻、キラキラネーム)、穴迫信一(客)>


後半は、踊りながら、一人がマイクで語るという趣向。マイクは両側にあって、マイクなしになるときの声量って結構俳優さんは難しいのかも知れない。歌でのマイクとは違って。背後の幕でもマイクで聴かせるのがちょっとめずらしいかも。

これは喜劇なのか悲劇なのか、といえば、神的存在も歴史的な物語でもない分喜劇なのだろうが、その笑ってしまうしょうもない「ふくしゅう」「しっと」「いじわる」は自分たちだけに、結局おのれ自身を嗤うことになる。ミステリ的でもあるがすぐに本人が自分が下剤を入れたとか、3万円をズボンの後ろのポケットに入れて罪を犯すようにしたとか言うから、それでもない。

でもそれでも愛おしいドタバタ。中国人留学生(倉橋愛実)がもうかなり日本の社会に溶け込んでいることもよく分かったりする。海に近い町。砂と水が吹き出す床。キャンプファイアと放火。これが一番重い。軽くて重いのがチワワに噛まれて死んでしまう男ではあるが。


以下、代表の穴迫さん(前説も自身でするのが特徴)の言葉の引用:

今作「ふくしゅうげき」は北九州芸術劇場小劇場にて劇トツ優勝公演として初演が行われました。その作品を約一ヶ月の滞在製作によって、京都の俳優・スタッフと新たに作り直します。タイトルも「ふくしゅうげき京都ver.」と改めます。創造サポートカンパニー最終年は奇しくもアトリエ劇研最終年となってしまいました。三年間の活動を振り返ると、まさしく「挑戦」の日々であったことが思い出されます。そして今回も、最終年にふさわしい「挑戦」を考えた末、北九州で上演した最新作品のリクリエーションに決めました。北九州と京都でそれぞれ違う座組で同じ作品を作るというのは、今のところ我々ブルーエゴナクにしか出来ないことだと自負しております。ようやく出来つつある足場をゆっくり渡っていくような。
三年間の挑戦の集大成となる作品です。多くの方に目撃していただけますように。
ブルーエゴナク代表 穴迫信一>

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by kogure613 | 2017-04-21 22:26 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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