南船北馬『さらば、わがまち』ウイングフィールド 重江良樹『さとにきたらええやん』

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桜井鈴茂『終わりまであとどれくらいだろう』(双葉文庫、2008年)をちょうど読み終わって、15時からのお芝居を見て、なんか通じ合うような感じがした。お芝居と同様に重いしシリアス、小説はとりわけダークだ。短編の「アヴェ・マリア」は2003年で最初と最後の曇天返しが鮮やか。中編の表題作「終わりまであとどれくらいだろう」は終末感のやるせなさかと思わせて、どこか救済の予兆がある、それぞれのばらばらな生活のなかでだけれど。

南船北馬『さらば、わがまち』ウイングフィールド。90分間。

なんらかの社会的なマイノリティを自覚する役者さんをオーディションで集めた際に、「さらし者」になってもらうと棚瀬さんは伝えたという。いまのまちでのシーンにはコンビニの場面は不可欠。あとは、ピンサロあたりかな。面白かったのは、釜ヶ崎の職安のところ。確かに上から目線にどうしてもなってしまうのだろうな。

安穏として鑑賞するわけには行かないというシーンが何箇所かあった。まずは、韓国語で全員が話すシーン(分かる人と私のように全く分からない人が分断されるということもねらいだろう。あとで、実は・・と進行役が内容ではなく、どういう種類のものかをいう)、そして、同じく全員での手話。これは何となく分かる部分もある。役としての細川美保が、同じく役としての恒澤昌昭を理不尽なまでに罵倒(嫌悪)し、いたぶるところ。

作・演出:棚瀬美幸

舞台美術:柴田隆弘 音響:大西博樹 照明:葛西健一(GEKKENstaff room)

舞台監督:塚本修(CQ) 宣伝美術:岸本昌也 制作:尾崎雅久(尾崎商店)

協力:石垣佐登子、河村都

【出演者】(役名は、役者名を少し変化させている:例えば、門田草が、門田創。森田かずよが、森口かずよ)

門田草(子宮男子):進行役 「おんなとおとこの良いとこ採りをして」(以下、当日パンフより引用)

姜愛淑:「【在日コリアン】だと言う事?」

木下菜穂子:「離婚を三回」「子供たちを巻き込んだ責任と罪の意識」

恒川昌昭:「出世競争から降りて、早期退職」「あいりん地区で、日雇い労働者に」無料講習の紹介アルバイト

ぶった斬れのベティ(劇団洒落乙、細井美保)、「同性愛者ということと男性嫌悪」

三澤健太郎:「既成の価値観への適応障害」

森田かずよ:「身体に障害があること」

山口文子:「聾者」で「両親も聾者」

作品紹介http://nannsenn.jugem.jp/?eid=148

公演趣旨
何らかの社会的マイノリティーや、多数派から疎外される要因を抱えながらも、自己や他者を肯定し生きる人々をオーディションで募ることにより、現代社会での生き方を探る。
ソートン・ワイルダーの「わが町」を踏まえ、オーディション参加者の経験を織り交ぜたエピソードを積みあげ、日常の裏に潜む社会の冷酷さ、潜在的な差別意識、人間の生の儚さと弱さを、何気ない生活の断片から描いていく。
今日の被害者は、明日の加害者となる。おごれるものも久しからず、いつかは逆転する立場。
いつまでも、このまま、このまちにしがみついていることはない。
自ら選び取ったものを守るために、何かを手放すことを決断した人々を描く群像劇。
 なぜワタシたちはここにいるのだろう。
あらすじ
ソートン・ワイルダーの「わが町」の進行役の役割に、トランスジェンダーである出演者を配し、
聾者、身体障がい者、LGBT、在日朝鮮人、日雇い労働者、元エリート会社員、シングルマザーの6名の生き方を虚実織り交ぜて描いています。
日々の生活で生きにくさを感じる、車椅子生活と耳の聞こえない生活。
見た目には生きにくさを表出していない、性的マイノリティの葛藤。
被差別である意識なく生活できていると思いたい、在日朝鮮人の内面。
大手企業技術職からあいりん地区職業安定所パートに転身した元エリートと、トイレ・シャワー・炊事場共同の家賃18万のアパートで日銭を稼いで生きている若者の人生観。
4度の結婚を経て離婚調停中のシングルマザーの苦悩。
カップルの日常の一コマ。バイト先での一コマ。買い物中の一コマなど、何気ない日常の一コマを、トランスジェンダーである進行役が独自の解説を交えながら、進行させていく。
その中、差別意識と被差別意識、健全な生活と不健全な生活、嫉妬と欲望が露わになっていく構成となっています。

『福祉ボランティア社協フェスタ 共につくろうきょうさの絆』へ。ひと・まち交流館京都。3階にある京都市福祉ボランティアセンターと京都市内の社会福祉協議会が主催。映画鑑賞のあと3階のイザ!カエルキャラバン!の部屋へ。子供が以外に少なくてびっくり。かえっこ現場ではあるが・・あと、オークションではなくて、10ポイントとか15ポイントとか感動ポイントが定価になっていて、これには驚いた。

10時から、ドキュメント映画を2階の大会議室にて。

重江良樹『さとにきたらええやん』2016年、100分。マユミさんと母親との関係、マユミさんの調理姿。障害のあるジョウくんの堂々の作文発表・・

https://filmarks.com/movies/67442

 <大阪市西成区釜ヶ崎。日雇い労働者の街と呼ばれてきたこの地で38年にわたり取り組みを続ける「こどもの里」。さとと呼ばれるこの場所は、障がいの有無や国籍の違いに関わらず、0歳からおおむね20歳までの子どもが無料で利用することができます。学校帰りに遊びに来る子、一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子、そして親や大人たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、地域の貴重な集い場として在り続けてきました。本作では「こどもの里」を舞台に、時に悩み、立ち止まりながらも全力で生きる子どもたちと、彼らに全力で向き合う職員や大人たちに密着。子どもたちの繊細な心の揺れ動きを丹念に見つめ、子どもも大人も抱える「しんどさ」と、関わり向き合いながらともに立ち向かう姿を追いました。>

SHINGO西成と重江良樹に案内され日雇い労働者の街・釜ヶ崎へ https://www.cinra.net/interview/201606-satonikitaraeeyan

たしかに、初めはどうしたらいいかわからずうろたえていたんですけど、「何をすればいいですか?」と声をかけたら、次々仕事を頼まれました。
SHINGO:そうやろ。そういう他愛もない小さな言葉が、相手の心の窓を開いて、一歩近づくきっかけになる。逆に誰かから話しかけられたときも、「どうしよ!?」ってびびるんじゃなくて、自分の気持ちを伝えるチャンスだと思えばいい。この街はいろんな人がおるから、そういう出会いを大事にしていけば自分の器がどんどん大きくなると思います。俺は、出会いはパワーやと思ってるよ。
それで、7年の月日をかけてじっくり追っていった。
重江:時間をかけて見てみると、釜ヶ崎という街もそうだし、「こどもの里」に通う保護者の方もそうですけど、不器用な方が多いことに気づいて。不器用なんだけど、すごく思いがある。強い思いがあるのに、うまく伝えられなかったり、うまくできなかったりするところを撮りたかったんです。そういう気持ちで撮影を終えて、映画を見たSHINGOさんから、最初にご連絡いただいたときのひと言がすごく嬉しかったんですよ。
SHINGO……「金出せぇ」って言ったんやったっけ?(笑)
重江:いえいえ(笑)。「里の奴ら、すげぇな!」って言われたんです。
自転車で街を走る少年の背中越しに釜ヶ崎を撮った映像が映画のオープニングですけど、まさにいまSHINGOさんが言った、この街の姿が映されていますよね。背景には、<近所のオッチャンに習った。ここではこうして生きなさい>というSHINGOさんの諸先輩からのお言葉という曲が流れていて。
SHINGO:あの最初の映像はこの街をすごく表現できていると思います。>

終わってから、映画で心筋梗塞で入院した姿もでていた荘保共子のお話。映像を使って話すところはとても勉強になるな。

http://catholictama.org/?p=14639

<==荘保共子(しょうほともこ)さん プロフィール==
 兵庫県宝塚市で育つ。聖心女子大学卒業後、教会の青年活動の中で釜ヶ崎の子どもたちと出会う。
 1977年、学童保育「こどもの広場」を開設、1980年、西成警察南横に移設し「こどもの里」と改称。子どもの遊び場と生活の場を軸に、大阪市留守家庭児童対策事業、大阪市地域子育て支援拠点事業、小規模住居型児童養育事業「こどもの里ファミリーホーム」、児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)、生活・子育て相談・緊急一時保護・宿泊事業、エンパワメント事業、虐待防止・貧困対策等の自主事業に取り組む。
 1986年度より毎年1月~3月の毎土曜日、野宿者を訪問する「こども夜まわり」を開催。釜ヶ崎の子どもの人権擁護に7名の専従スタッフとボランティアと共に取り組み現在に至る。
 西成区要保護児童対策地域協議会今宮中学校区座長。わが町にしなり子育てネット代表。里親。
 子どもの権利条約関西ネットワーク副代表。一般社団法人「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」理事。一般社団法人日本ファミリーホーム協議会近畿ブロック代表。
 2015年度より「特定非営利活動法人 こどもの里」理事長。>

https://movie.walkerplus.com/mv60396/ 

そんなある日、やんちゃな5歳のマサキくんがこどもの里にやって来る。自転車が大好きなマサキくんだが、発達障害があり、自分でやりたいと思う事に集中すると周りが見えなくなってしまう。そんな彼に時々イライラしてしまう母親は、しんどくなって手を上げることを避けるため、こどもの里にマサキくんを預けに来たのだ。自身の育った環境による苦しみを抱えている母親はカウンセリングを受けているが、そんな彼女に対してもこどもの里の職員たちが支えているのだった。
生意気盛りな中学生・ジョウくんは、こどもの里のムードメーカー。彼がいると周りが賑やかになるが、時に騒ぎ過ぎて怒られることもしばしば。ジョウくんは、軽度の知的障がいがあることにコンプレックスを抱き、学校の交友関係でも悩んでいた。その苛立ちから兄弟に暴力を振るってしまうことも。こどもの里の職員たちはジョウくんと彼の家族を丸ごとサポートし、彼の将来も共に考えていこうとしていた。
高校生のマユミちゃんはおっとりした性格ながら家事もこなす優等生。小学生の頃からこどもの里で生活してきたマユミちゃんだが、離れて暮らす母親は健康や対人関係に困難を抱えている。就職も決まり、高校卒業を目の前にしたマユミちゃんにある事件が発生。焦燥するマユミちゃんを職員たちは強く励まし、優しく包み込むように接する。そんな中、館長の荘保さんがくも膜下出血で入院してしまう。屋台骨の不在に職員だけでなく施設全体にも動揺が広がっていく。やがて春、マサキくんは小学校入学、ジョーくんは中学校卒業、マユミちゃんはこどもの里からの卒業、それぞれが人生の門出を迎える……。>
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by kogure613 | 2018-03-04 22:22 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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