東京デスロック+第12言語演劇スタジオ 『가모메 カルメギ』AI・HALL

2018/7/21(土)

14時すぎから140分。ロビー側の一番上の列に座る。前に席がないところ。字幕もよく見える。

私から見て下手手前から上手向こう(時に網のドアが閉まるところ)へと登場人物が歩いていく姿が美しい。流れる時間、時代、感情の沸騰、諦め、ボヤキ、悩み・・・

真ん中に、タンスが倒れて、下手側が一部沈んでいるので、登りながら、下に背の低い椅子があって、踏み段になる。毛躓くことはない。

上手側かられを通ったのは、リュ・ギヒョクだけだったように思う(まあ、ちゃんと確かめていないが)。


観劇直後に書いた呟き

ボレロがまだ鳴り響いている。ポップで明快な舞台でした。もっと難解で重苦しいかと思っていた。近大生がこれでリポート書くと言っていたが選択は正解だったんじゃなかろうか?箪笥の残骸が通路になって多くの人が上り降りる。棺にも見えて。」


12 言語演劇スタジオの脚本を担当したソン・ギウンさんが当日パンフに書いている。

<時代考証を細かく詰め込んだ、まるで時代劇のような私の脚色台本『가모메 カルメギ』に、私と長年のつきあいである演出家・多田淳之介は、現代化させ厳然させる演出を施し>た。


なるほど、マイクでK-POP。字幕でも私の知らないグループや歌手(IU)とかが出てくる。

熊本地震や西日本大雨とともに。

安倍内閣による集団的自衛権の憲法解釈は自分にとってかなりの衝撃だった、何という内閣法制局じゃと・・・

チェーホフの「かもめ」ってどこか無残な印象がいつもあって、こんなに前向きな明快でスピーディーな舞台に出会うとは思わなかった。もちろん、悲劇的喜劇である。日本占領下の朝鮮の田舎。ずいぶんなまっている人も二人いる。内地語と朝鮮語。そのソウル風と田舎風。日本内地人はNMの区別が出来ない。朝鮮人は「つ」が「ちゅ」になりがち。

舞台を観客が両面から覗き込む。向こうの客席が結構見える。モニターは端の人用。韓国の俳優が日本語をたまに話し、日本の俳優も韓国語をときに使う。平田オリザさんの『ソウル市民』との比較もありうるが、まるで違う舞台だったのが爽快だった。

東京デスロック+第12言語演劇スタジオ

가모메 カルメギ』AIHALL http://www.aihall.com/karumegi_itami/

 アントン・チェーホフ作『かもめ』を1930年代の日帝朝鮮に翻案、韓国最高峰の東亜演劇賞にて三冠を受賞し日韓合作のエポックメーキングとなった名作。

歴史に翻弄される若き芸術家の物語、鳴り響くKJ ポップ、東アジアに生きる私たちの現在、未来へ、待望の再演。

1 930年代日本占領下の朝鮮の田舎町、芸術を志す朝鮮人青年の元に母が連れてきたのは日本からの芸術家。恋焦がれる女性も彼と共に日本へ発ち、残された人々を包む戦争の影・・・。

 アントン・チェーホフ作『かもめ』を1930 年代の日帝朝鮮に翻案、2013 年ドゥサンアートセンター製作により韓国初演。第50 回東亜演劇賞にて作品賞、演出賞、視聴覚デザイン賞受賞、50 年の賞歴で初の外国人演出家による正賞受賞。2014 年の日本公演以来4 年ぶりの再演となる。

原作/アントン・チェーホフ『かもめ』

脚本・演出協力/ソン・ギウン

演出/多田淳之介

出演/

夏目慎也:御手洗幸介(教師、イ・エジャをようやく娶る)

佐山和泉:いさ子(看護婦)

佐藤 誠:塚口次郎(小説家、チャ・ヌンヒの愛人)

間野律子:ミョギ(朝鮮人の少年、最初に舞台にいて、現代から過去へ)

ソン・ヨジン:チャ・ヌンヒ(女優、リュ・ギヒョクの母、塚口次郎の愛人)

イ・ユンジェ:イ・ジュンク(チャ・ヌンピョの元部下、一人で話し出す)

クォン・テッキ:チャ・ヌンピョ(足が悪い、リュ・ギヒョクの伯父)

オ・ミンジョン:イ・エギョン(イ・ジュンクの長女、エスペラント語)

マ・ドゥヨン:ドクトル姜(医者、エスペラント語、写真) 

チェ・ソヨン:イ・エジャ(愛子、イ・ジュンクの次女)

チョン・スジ:ソン・スニム(リュ・ギヒョクの恋人だったが、塚口次郎に片思いで東京へ。でも、俳優にはなれず踊り子に)

イ・ガンウク:リュ・ギヒョク(作家志望、チャ・ヌンヒの一人息子、前衛劇の公演を失敗、農業をしつつ小説を書こうとしたが)

企画製作/東京デスロック、一般社団法人unlock

主催/公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団、伊丹市

助成/一般財団法人地域創造、文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会


東京デスロック 

多田淳之介を中心に 2 0 0 1 年より活動開始。古典から現代戯曲、小説、詩、ネット上のテキストなど様々な題材から現在を生きる人々をフォーカスしたアクチュアルな劇空間を創造する。 2 0 0 9 年より東京公演休止を宣言、2 0 1 1 年度より「地域密着、拠点日本」を宣言。2 0 1 3 年には 4 年ぶりに東京公演を再開するが東京オリンピック終了(中止)まで再び東京公演を休止。 2 0 1 1 5 月フランス・ジュヌヴィリエ国立演劇センターFestival TJCCに招聘。2 0 1 4 年には韓国のドゥサンアートセンター、第 12 言語演劇スタジオとの合作『가모메 カルメギ』が韓国で最も権威のある東亜演劇賞を受賞。演出の多田は初の外国人演出家による演出賞を受賞するなど、国内外問わず各地にて活動する。

12 言語演劇スタジオ 

劇団名は「地球上の言語の中で韓国語を使用する人口が 12 番目だと推定される」という統計資料を参照して付けられた。主宰のソン・ギウンは、繊細ながらも文学的な感性の溢れる舞台と日本統治下の 1 9 3 0 年代のソウルを描く一連の作品で評価されている劇作家兼演出家。 1 9 9 9 年日本に留学した際に日本語を学び、平田オリザ氏などの日本戯曲の翻訳や、野田秀樹氏の日韓共同制作作品など、日本演劇との交流と合作に深く関わっている。 2 0 1 1 年には、翻案演出で上演した『カガクするココロ森の奥編』(原作:平田オリザ)が大韓民国演劇大賞作品賞を、2 0 1 3 年には今日の若者アーティスト賞(韓国の文化観光体育部長官賞)を受賞。『多情という名の病』や、『新・冒険王』(共同脚本・共同演出:平田オリザ ソン・ギウン)など、日本での上演歴も多い。

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by kogure613 | 2018-07-21 21:50 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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