エドワード・ドミトリク『ワーロック』
2018年 09月 20日
2018/9/20(木)
10時から前記卒業式。
俊環境デザイン学科は4名。一人は私のゼミ生、あと一人も私の授業をよく取っていた卒業生ということもあり、花束。あとは建築の二人。
卒論指導も最終日。
雨が強くなる。17時には終了。
帰って映画。なかなかに入り組んだ西部劇。ヘンリー・フォンダが演じる保安官の複雑さ、予言がシニカル。
エドワード・ドミトリク『ワーロック』1959年、122分。
ジョニー・ギャノン:リチャード・ウィドマーク
クレイ・ブレイズデール:ヘンリー・フォンダ
トム・モーガン:アンソニー・クイン
リリー・ダラー:ドロシー・マローン
ジェシー・マーロウ:ドロレス・マイケルズ
<●ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クイン、リチャード・ウィドマークの3大スター豪華競演!
●悪がはびこる西部の町ワーロックを拳銃で粛清していく、流れ者の雇われ暴力保安官。正義のために権力とワルが手を結んで、小っぽけなワルを追い出したことの代償を描く、社会派エドワード・ドミトリク監督による異色西部劇。
●保安官を演じさせたらピカ一の名優ヘンリー・フォンダが、ここではダンディズムあふれる黒尽くめの悪徳保安官を披露。その粋なピカレスクぶりは、演じた本人も太鼓判を押す出来栄え。
●ヘンリー・フォンダの保安官とアンソニー・クイン演じる賭博師の関係性は、ワイアット・アープとドク・ホリディに倣ったもの。また、どこか同性愛的情緒が漂っているのも異色。
●重量級のドラマに見合った決闘シーンの数々は、今も西部劇ファンの語り草に。>
https://blogs.yahoo.co.jp/t145146/18663583.html より
<物語>牧場主マッキューン一味がわが者顔に横行する町、ワーロックの住人たちは、たまりかねて自衛のために保安官クライ(ヘンリー・フォンダ)を呼ぶことにした。まもなくクレイは賭博師モーガン(アンソニー・クイン)とともに現れ、拳銃にものを言わせながら徹底的に町を粛清していく。しかし、かつてはマッキューンの部下だったものの、今では町に尽くすようになったジョニー(リチャード・ウィドマーク)に人々の信頼が集まるようになり、彼とクレイとの対決は避けられないものとなる・・・
<赤狩りでイギリスに逃れていたエドワード・ドミトリク監督が、転向後ハリウッドに復帰して作った最初の作品として知られています。主演はウィドマーク、フォンダ、クインの重量級スター3人、撮影は名手ジョー・マクドナルド(『荒野の決闘』、『情無用の街』、『拾った女』など)と強力な布陣で、上映時間2時間を越す大作ウエスタンです。
感想は・・・やはり傑作でした。初見ではフォンダの印象が圧倒的だったのですが、今見るとウィドマークやクインにもちゃんと見せ場があって、かなり見応えのある作品となっています。
町から町へと流れてゆく「雇われ保安官」クレイのキャラクターは、『胸に輝く星』の元保安官モーグなどと並ぶ、フォンダの代表作の一つではないでしょうか。彼が町に雇われるときに口にする、「悪党を退治し秩序を回復する。皆最初は胸をなでおろすが、次第に私の力に恐怖を感じ始める。私の存在そのものにね。そして平和な町に不要となった私は去る」という言葉は印象的です。
そして、悪党の子分から町の保安官に転じるウィドマーク。やや中途半端に見える彼のポジションこそが、後の法と秩序の時代を象徴しているのでしょう。
フォンダとクインのコンビ、これは明らかにワイアット・アープとドク・ホリデイのパロディーですね。クインに撃ち殺されたならず者の墓に「1881年」(「OK牧場の決闘」の年)とあるのも、おそらくそのことを示しているのだと思われます。>