藤原伊織『シリウスの道』 三遊亭兼好「一眼国」、入船亭扇辰「なす娘」 倉本一宏他『日本史の論点』

2018/10/10(水)

藤原伊織『シリウスの道』。とても面白かった。大手広告会社が舞台。

大手電機メーカーがネット証券に進出するという。そのコンペ。

ラストはそのプレゼンテーション。

そこに13歳の3人の男子2人と女子の話が絡む。

美術や工作の話も薬味。確かに、都会でもシリウスはよく見える。

広告会社の縁故採用ってとてもよく話される。逆にそれはリスクも多いわけだ。あと、やはり長時間労働が恒常化している。いまは少しは改善されただろうか。

藤原伊織『シリウスの道』上下、2006年、文春文庫、2005年単行本。

<作者の別作品『テロリストのパラソル』(直木賞受賞作)と背景となる世界設定が共通しており、時系列上は前作の9年後にあたる。本作では『テロリストのパラソル』の登場人物のその後が語られたり、実際に作中に登場するなど、同作品の続編的な側面も持っている。>

<辰村祐介には、勝哉、明子という幼馴染みがいた。中学生時代、大阪で三人は貧しいながらも助け合って生きていた。ある時、明子の義父・貞和と明子の関係、そし、貞和の死の真相に関する誰にも言えない秘密を抱えることとなり、その後は連絡をとりあうこともなくなっていた。

 それから25年後、辰村祐介は大手広告代理店・東邦広告の営業部副部長となっていた。辰村の部署が、それまで取引のなかった大手メーカー、大東電機から、突然予算18億という巨額プロジェクトの競合の指名を受ける。 才色兼備の部長・立花英子、政治家の息子としてのコネ入社ながら仕事に関しては一生懸命な若手・戸塚英明、破天荒なところはあるがコンピューターの天才である派遣社員・平野由佳らと、コンペの勝利に向け邁進する辰村。そしてある日、そのプロジェクトが自分の封印してきた過去と繋がっていることを知る。>

https://yottyann.at.webry.info/200506/article_22.html

<ところでこの小説は広告業界を舞台にしただけで、単に昔からある企業内幕ものではないか。常識を忌避するスーパーマンサラリーマンがワルをやっつける痛快話なら掃いて捨てるほどある。だいたい主人公の周りにはいい人ばかりが多すぎるご都合主義。との見方がありうる作品である。

 私がこれを傑作だ、ニューヒーローの誕生だと思うところ。今日ある企業は経営そのものがコンプライアンスを抜きにしては存続できない状況にある。だから昨日までのようなトップ、あるいは経営陣が法令違反をしていることを前提に、型破りの主人公がこれも法を犯す覚悟で胸のすく活躍をするストーリーは時代遅れのオハナシになってしまい迫力は失われた。ライバル企業だって違法な手段による妨害工作などしない。辰村はきわめて健全な常識人のサラリーマンであり、競合相手との戦いも裏技なしの正攻法だけである。彼の上司だってトップはなおさら「いい人」ばかりであることにこそ真実味がある。少なくとも腐った首脳が長いことその座に居すわるはできない。それがバブル崩壊の後、再生しつつある企業一般の実像なのだ。

 藤原伊織はあきらかに企業体質のこの変化を的確にとらえている。オハナシというものはこれではおもしろみが薄れるはずなのだが、あるべき企業活動を正面からとらえてこれだけ劇的に描くことができればやはり傑作としか言いようがない。>


大林宣彦さんのテレビ「それでも僕が映画を撮る」を見る。

花筐、まだDVDにはなっていないのか・・・新作は来年上映か。

昔は、10/10が体育の日だったなあ。

落語研究会。地味だがとても大事なものだろうな。

三遊亭兼好「一眼国」、入船亭扇辰「なす娘」(お昼にも代理で出て同じ演目をしたという)。

この前中高大の連絡会で、リベロの井上琴絵さんを応援していたのに台風で見られなくなった、という話を聞いていて、そうか、日本代表女子バレーボールに京都橘高校出身者が出ているのだと思っていて、ちょうどやっていた試合を途中から見る。すごい活躍だった。


読み終えていた新書。

倉本一宏他『日本史の論点-邪馬台国から象徴天皇制まで』 (中公新書、2018)

「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」。しかし鎌倉幕府の成立を1192年とする見方は今や少数派だ、といった話を聞いたことがある人も多いだろう。日本史の研究は日々蓄積され、塗り替えられている。「邪馬台国はどこにあったか」(古代)、「応仁の乱は画期だったか」(中世)、「江戸時代の首都は京都か、江戸か」(近世)、「明治維新は革命だったのか」(近代)、「田中角栄は名政治家なのか」(現代)など、古代から現代まで各時代の重要テーマに豪華執筆陣が迫る。

いま日本史の世界で注目されている論点は何か、どこまで分かっているのか、この1冊でつかもう。

執筆分担:古代・倉本一宏(国際日本文化研究センター教授)、中世・今谷明(帝京大学特任教授)、近世・大石学(東京学芸大学教授)、近代・清水唯一朗(慶應義塾大学教授)、現代・宮城大蔵(上智大学教授)

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by kogure613 | 2018-10-10 21:04 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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