黒川博行『文福茶釜』 秋吉貴雄『入門 公共政策学―社会問題を解決する「新しい知」―』

2018/10/29(月)

黒川博行『文福茶釜』文春文庫、2002年、1999年単行本。

5つの短編、古美術商など、日頃実態をまるで知らない世界が彼の本ではよく知ることができる。

贋作者と美術雑誌編集者、怪しいバイヤー。政治家や資本家のマネーロンダリング。

特に「初出(うぶだ)しや」というのは、大きな地震があると全国からやってくるという。

ハイエナやなあ。

<古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいに容赦はない。入札目録の図版さしかえ、水墨画を薄く剥いで二枚にする相剥(あいはぎ)本、ブロンズ彫像の分割線のチェック、あらゆる手段を用いて贋作づくりに励む男たちの姿は、ある種感動的ともいえる。はたして・茶釜・に狸の足は生えるのか?古美術ミステリーの傑作。解説・落合健二

秋吉貴雄『入門 公共政策学―社会問題を解決する「新しい知」―』中公新書24392017年。

来年度の3回生ゼミの教科書になるかと思い読んだが、もう少し事例があったりすれば、学生自身がレジュメ作ったりできるが、これだと一方的に講義することしかできないなと思い、断念。

いま、2回生後期ゼミでは、この本の最初に引用されていた木下斉『稼ぐまちが地方を変える:誰も言わなかった10の鉄則』を2人でレジュメを作って発表という形を取っていて、まずまず落とさず8名ずつ発表している。それでも漢字が読めなかったり意味がわからなかったりするので、それを調べつつ、著者の考えをまとめる作業となっている。

(参考)

『入門 公共政策学』/秋吉貴雄インタビュー http://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/102759.html

<秋吉:最近の学生さんだと、「総合政策学部」といった学部が増えたので、なんとなくイメージできる人も増えているようですね。

 それでも、経済政策や教育政策に比べて「公共政策」は漠然としていて、ピンとこない人も多いと思います。まず公共政策とは、「政策問題の解決に向けた方針・具体策」のこと。そして公共政策学とは、「政策問題や公共政策を対象とした学問」であり、公共政策の改善を志向しています。

 もう少し細かく見ると、「政策に対して投入する知識」と、「政策のプロセスを解明する知識」という、2つの知識を取り扱っています。前者は主に経済学的な政策分析にあたり、後者は政策の決定や行政の実施の仕組みなど政治学や行政学に近い。総合社会科学、といってもよい、広い分野を扱う学問です。

――公共政策学の入門書としては、初めての新書ですね。

秋吉:意外でしたが、そうなりましたね。これまでなかった理由は、広範囲に及ぶ内容を平易に描くのが難しかったからだと思います。

 本書では、あまり細かい手法には立ち入らず、問題の発見から、政策の設計、決定、実施、評価という一連の流れを具体的な事例とともに紹介した点が特徴です。本書を読むと、公共政策学がどのような内容を研究対象としているかを把握していただけると思います。また、社会にある問題がどのように問題として認識され、政策が作られていくのか、理解する助けになるかと思います。

 公共政策学というと、どうしてもいかに解決策をつくるか、という点に注目が集まりがちです。しかし、そもそも問題がどのように発見されるか、そしてどのようなフレームで捉えられ、どう定義されるのか、といった始まりの部分が重要です。

 ここは経済学などでは扱いづらいところですが、この本では社会学の知見なども踏まえて、1章を割いて論じています

 こうした話は、たかがレトリックではないかと言われがちですが、レトリックが重要なのです。たとえば地域公共交通のあり方についても、特定の事業者の経営問題としてとらえられると社会の支持は広がりませんが、「地域の足をどう維持するか」ととらえれば、議論の流れが変わってくるわけです。>

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by kogure613 | 2018-10-29 21:13 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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