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兵庫県立ピッコロ劇団オフシアター『炎の人-ゴッホ小伝-』中ホール

2019/4/12(金)

兵庫県立ピッコロ劇団オフシアターVol.35『炎の人-ゴッホ小伝-』作:三好十郎、演出:眞山直則(ピッコロ劇団)。ピッコロシアター中ホール。

ゴッホというと、このお芝居に現れるゴッホ像があり、作者の三好一郎さんが形作ったのか、あるいは、その前から、ゴッホの伝説的な生き方と表現の関係、ゴーガンとの行き違い、そして、アーツマネージャー的な一面もある弟、テオ(テオドール)との関係などが浮かび上がってくる。

司馬遼太郎における坂本竜馬像とかと比べたくなるかもな。

それにしても、17時半開演というので3時間近くあるのだろうと思ったら、2054分まで、間に15分間の休憩。後半は録音したゴッホの手紙、語りなどが使われて、1時間ぐらいになっていて、前半の2時間もいくつかのシーンに分かれているし、長いなあという感じもなくてよかった。あと、椅子に黒いクッションがあってお尻や背中も痛くなくて見やすいのでとてもいい配慮だった。

舞台美術(柴田隆弘)も充実。特に床に置かれたキャンパスがもう一つの舞台床になっている。タンギーのお店では額縁が壁担っている。

第一場:プチ・ワスムの小屋。炭鉱、事故、ストライキ。宣教師ゴッホ(吉村祐樹)の優しさと世渡りのできなさすぎ。

第二場:ハアグの画室。絵画の勉強の始まり、売春婦シィヌへの愛。気がかりで画廊に努めている弟、テオ(菅原ゆうき)が登場する。

第三場:タンギイの店。パリに来たゴッホは印象派の色彩と光の氾濫に心奪われどんどん印象派の人たちのマチエールを取り入れてしまう。ポール・ゴーガン(原竹志)は、ゴッホの絵を評価しているが、面と向かっては批判的、どこか世渡りはゴッホよりはましなのだが、現実にはシニカル。

第四場:アルルで:南仏、果樹畑でハアグで学んだモーヴ(死亡)を偲ぶ。

第五場;黄色い家で:ゴーガンが来るが、一緒に生活しようとするが、すぐぶつかり、ゴッホは自傷的になってしまう。ラシェル(金田萌香)がダンスしている。

エピローグ:作者、三好十郎さんの心こもった詩的な弔辞のようなモノローグ。

<ゴッホが宣教師として働いていた炭坑町では、劣悪な労働環境に耐えかねた抗夫たちがストライキを起こしていた。爆発事故で生き埋めになった遺体の発掘を、彼らに成り代わってゴッホは会社に掛け合うが、その望みはかなわない。誰も救うことができず、宣教師職も解かれたゴッホの元へ、今回の事故で命を失った息子のために祈ってほしいと、耳の聞こえない老婆がやってくる。生涯、貧しい者の為に絵を描き続けたゴッホが、飢えと孤独と苦痛の果てに辿り着いた境地とは

吉村祐樹

中川義文・風太郎・堀江勇気・車 貴玲・有川理沙・今仲ひろし

田渕詩乃・三坂賢二郎・今井佐知子・菅原ゆうき・金田萌果

原 竹志

1951年劇団民芸初演、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホを滝沢修が園児、現在までに5度再演。第3回読売文学賞受賞の戯曲。

3限目、公共政策入門、146教室、58名。同じ3限目に行政学がある。
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by kogure613 | 2019-04-12 22:06 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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