新作能舞「比叡翁童死生谷」@関西セミナーハウス豊響殿
2019年 08月 26日
2019/8/26(月)
この週末は出張。
明日は、社会福祉法人グローさんとの打ち合わせ。
今日は家で少し仕事など。
16時半に家を出て、修学院駅へ。
一度だけ降りたかな。
まずは鷺宮神社へ。そこから、曼殊院門跡も立ち寄りたかったが、関西セミナーハウス(修学院きらら山荘)に到着までの上り坂が結構大変で、すぐに建物に入り、比叡山の美味しいお水をいただく。
老年哲学国際会議の一環として、新作能舞「比叡翁童死生谷」が催されるというので、由良部正美さんのご案内ということもあり、でかけたのだった。
まず、ここの建物が、年季の入ったモダニズム建築。でも、上の方にいくと、野外の能舞台があった。豊響殿。終わってから検索すると、明治時代にできて、いろいろな変遷がありここに落ち着いたという。
NIKKEI.COM
流転の建屋 秀吉しのぶ 関西セミナーハウスの能舞台(もっと関西)2018.6.13
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31667960S8A610C1AA2P00/?fbclid=IwAR06_OP2kPwBJeOLSHbSeO0FQ1RjA3NW4g5vGumFu6wwLjerZLnpKo8EPSI
<京都能楽界の明治の一大事業と語り継がれる建屋が、比叡山西麓の京都市左京区に伝わる。公益財団法人「日本クリスチャン・アカデミー」が運営する会議・宿泊施設「関西セミナーハウス」の能舞台だ。造られたのは太閤・豊臣秀吉没後300年の1898年。その後、狂言の茂山千五郎家など所有者が度々変わり、現在の地に至ったという。>
<特徴は舞台四隅の丸い柱。秀吉の300年祭で催す奉納の能楽用に急いで造られたため、北山杉を四角に削らずに丸太のまま用いたと伝わる。>
さて、新作能舞「比叡翁童死生谷」。
河村博重(観世流シテ方)さんによると、能楽というと色々問題があるので、「能舞」としていて、これまでずいぶん、音楽担当の鎌田東二さんと二人でやってきたという。
学者さんであるとともに、神道ソングライターでもあるという鎌田さん。ほとんど、ギターの弾き語りフォーク。宗教的内容が多いけれど、銀河鉄道の夜のそのあとというような物語も語る。
正直、奇妙な取り合わせ。特に、河村博重さんの仕舞はもちろんお能なのだが、どこか、ユーモラスで、ジョバンニが比叡の麓にやってきて、鳥辺山までカンパネルラを探すという物語や情景をなぞるようになるのは不思議なものではあった。あと、鎌田さんがよく聞くフォークの声(PAなしなのはさすが)に対して、少しだけ発する博重さんの声はお能の声。
蝉から秋の虫たちへの合唱。蚊などもけっこう人間の体温を感じて集まってくる。
19時すぎて上を見ると、星が出始めていた。一番星二番星。野外ライブに座っているコト自体とても嬉しいもの。
そして、なにより嬉しかったのは、由良部正美さんの舞踏が、そんなにシンガーソングに影響されていなかったということ。もちろん、具体的な内容が多いので、そのときは激しく、静かになれば、静かな佇まいを見せるが、能とフォークほどの異物感はなかった。ただ、まだ、演歌の方が合うかしらとか、もう少し間を作ってもらえば、自然の音で由良部さんの体だけを感じられたのに、とは思った。