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中村文則『私の消滅』 レン・ワイズマン『トータル・リコール』

2019/9/4(水)

観た映画。

タイトルはすでに観た映画タイトル(1990年のものは、コロニーがオーストラリアではなく火星だった)かもなあと思ったら、2012年に新しく撮りなおしたものだった。化学戦争の結果、少しだけ汚染されなかった地域が残った設定。核戦争だったら、もう何も残らないので物語にならないからだろうか。リコール社とタイトル『トータル・リコール』とは、CKの違いあり。

シンセティックという戦闘もできるロボット。AI関連で、少し現実化しつつあるのかも知れない。コロニーにいる労働者が独立しようとしているのをうまく使って、UFBリーダーが、反体制派のテロを誘いつつ(自演もあったのかも)、コロニー自体の労働者を不要にする。歯向かうものをなくし、ロボットで代替しようとするお話。

レン・ワイズマン『トータル・リコール』118分、2012年、コロンビア映画。

2012年のアメリカ合衆国のSF映画。原作はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の1990年の映画『トータル・リコール』と同一であるフィリップ・K・ディックのSF小説『追憶売ります』だが、より原作に忠実なプロットとなっている。>

コリン・ファレル

ケイト・ベッキンセイル

ジェシカ・ビール

21世紀末の世界大戦により人類は大量の化学兵器を使用した。その結果地上の大半は居住不可能となり富裕層はヨーロッパを中心としたブリテン連邦(the United Federation of Britain、通称UFB)に住み、貧困層は反対側のオーストラリアを中心としたコロニーに居住する事になり、コロニーの住民はUFBの労働力の為にザ・フォールと呼ばれる巨大なエレベーターに乗りUFBに通勤し働いていた。やがてUFBからの独立と解放を目的とするリーダーのマサイアスを中心としたレジスタンスと呼ばれる反体制派のテロ活動が盛んになり、UFB代表のコーヘイゲンはロボット警官のシンセティックの増産を唱える。 コロニーで暮すダグラス・クエイドは、このシンセティックの生産を行う労働者であり、貧しいながら美人の妻ローリーと平和に暮らしていたが、ダグラスはいつの頃からか夢の中で見知らぬ女性と病院を脱出し警官に追われる夢を見る様になる。その夢の事が気になりつつ、ある日リコール社の宣伝に興味を持つ。友人であり同僚のハリーからは脳障害になるから行くなと忠告されるが、ダグラスの足はリコール社へと向かっていた。リコール社でサービスを受けている最中にトラブルが発生し、ダグラスは急に追われる身になる。>

今日が部長会。いつもは火曜日なのだが。

そして明日が学部教授会、大学評議会など。

読んだ小説。

中村文則『私の消滅』文春文庫、2019年。2016年単行本。

途中まで、その痛ましい過去が登場人物ふたりにあって、つらい気持ちになった。でも、構造とかなかなかのものだと読み終わる。

26回(2017年)Bunkamuraドゥマゴ文学賞

古いコテージで不穏な文章が書かれた手記を読む男。彼は部屋にある保険証や住民票、年金手帳などを使って、「小塚亮大」という別人に成り代わらなくてはならなかった……

選考委員の亀山郁夫氏に激賞され、Bukamuraドゥマゴ文学賞を受賞した本作。純文学とミステリーが見事に融合した、中村文則の最高傑作です。>

https://ameblo.jp/espoir-0168/entry-12423110337.html

<このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記これを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。

かつて愛した女性、そして、現在、愛している女性を自殺に追いやった男達を復讐する物語

人はどんな環境で育ち、誰にどんな言葉をかけられるかで大きく変わる事を感じた作品

主人公である精神科医 小塚 亮大がマインドコントロールをして破滅に追い込み、自らもかつての主治医にマインドコントロールされていたという話が中山七里さんの『連続殺人鬼カエル男』を想起させた。

子供の親から受ける影響の大きさを感じて、切なかった

主人公 小塚は幼少時代に微妙な立ち位置にいた。母親の連れ子だったので、父や父方の祖母とは血の繋がりがなく、妹とは半分しか繋がっていない。

不可抗力とはいえ妹が転落事故を起こしてから、人生が反転する。母親は堕落した生活を送り、男を取っ替え引っ替え。母親は連れてくる男性から日常的に暴力を振るわれ倒錯したセックスを繰り返し、主人公小塚も生や性に対して、ねじ曲がった解釈をしていく。

そんな小塚が精神科医として、独り立ちをした後に出会うゆかり。恋愛感情を抱くがゆかりも壮絶な人生を送っていた。養父から性的虐待を受け、母親の自殺を発見。風俗の仕事をしている中で凌辱される経験もする。必然的に自殺未遂を繰り返していた。

子供にとっては、親が生きていく上でお手本であり、道しるべ。正しい教えをもらえなかった子供のいく末は火を見るより明らか。成人するまでの期間って実は貴重な時期だという事を思い知る。>

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by kogure613 | 2019-09-04 22:25 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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