劇団チョコレートケーキ 第34回公演 『一九一一』
2021年 07月 17日
2021/7/17(土)
新しいエアコン。気持ちがいいので、一度も外に出なかった。
これもよくないが。
昨日に続いて、購入していた演劇配信をパソコン上で鑑賞。
スタンダード版。
二通りの鑑賞方法があって、明日でも別のもの(アクターカメラ版)をちょっと楽しんだり、アフタートークなども見ることができたらいいあ。
かっこいい管野須賀子(堀奈津美)の言動。もちろん、フィクションが多いのだろうが、戦後の女性運動家へとつなぐところが希望をもたせる。それにしても、幽月と呼んでくれといい、そう呼ぶ主人公(ナレーションも)田原巧(西尾友樹)の優しさ故の苦悩、そして、幽月のスッキリとした死に方。明治の女性としての礼儀良い頼み方。
ああ、『治天ノ君』がこの大逆事件からの続きなので、見られなかったのか悔しい。ただ、山県有朋の権力観って、いまも続いていることが、よく分かる。明治天皇はかなりもう弱っていて、全部山県の意思だろう。セリフのなかで、臣民には、無害な民と排除すべき有害な民しかないというのも分かりやすい。
戦前といえど、司法のなかの「仕事」。無罪を有罪にするというような、いまも変わらない政治的圧力にどういう形で対応するか。大審院の連中が、法律家としての違反(旧刑法第73条の適用)を、地裁判事(予審担当)に押し付けるところもなかなかに味わい深い。検事にも暴力的な人と情け与える人がペアになって、被疑者の自白(強制的なものも含め)を促すところも、変わっていないのだろうな。いまは、警察の役割か。
劇団チョコレートケーキ 第34回公演
『一九一一』135分。
脚本:古川 健 / 演出:日澤雄介
企画・製作 一般社団法人 劇団チョコレートケーキ
提携 公益財団法人せたがや文化財団、世田谷パブリックシアター
後援 世田谷区
助成 文化庁 日本芸術文化振興会
<お約束のフレーズで恐縮ですが、この物語は歴史的事実を参考にしたフィクションです。登場人物はほとんど実在する人物をモデルにしていますが、あくまでも設定とお名前を拝借した創造の産物です。その点をお含みおきいただければ幸いです。
<劇団公演ではよく再演を行ってまいりました。「治天ノ君」「熱狂」「あの記憶の記録」…などなど。再演を行う理由というのは様々ございますが、一つにはその作品をもっと沢山のお客様に
観て欲しいという想いがあります。この「一九一一年」もその強い想いから再演が実現いたしました。初演は今から10年前、僕が劇団で演出をするようになって4公演目の作品です。若々しく無鉄
砲に演出していた思い出があります。もちろん上手くいっていない所は多々ありましたが、あの時やれることは全部やったという感覚がありました。
大逆事件予審判事
[東京地裁判事]田原 巧:西尾友樹 (劇団チョコレートケーキ)
[東京地裁判事]潮 恒太郎:佐瀬弘幸 (SASENCOMMUN)
大審院
[大審院長]横田国臣: 青木柳葉魚 (タテヨコ企画)
[大審院判事・大逆事件本審裁判長]鶴 丈一郎: 吉田テツタ
[大審院判事・大逆事件本審判事]弘厳石: 岡本 篤 (劇団チョコレートケーキ)
検察
[東京地裁検事局]武富 済: 島田雅之 (かはづ書屋/studio4093)
[東京地裁検事局]小原 直:近藤フク (ペンギンプルペイルパイルズ)
[検事総長]松室 致:林竜三
[司法省刑事局長兼大審院次席検事]平沼騏一郎: 浅井伸治 (劇団チョコレートケーキ)
弁護士
[与謝野鉄幹に弁護を依頼された青年弁護士]平出 修:菊池豪 (Peachboys)
[元老]山縣有朋:谷仲恵輔 (JACROW)
[被告・無政府主義者] 管野須賀子(かんの すがこ)
/新日本婦人同盟の女性解放運動家]:堀奈津美 (DULL-COLORED POP)
アンサンブルキャスト:加藤広祐 栗原孝順 浦田大地