伊吹有喜『地の星 なでし子物語』
2021年 11月 24日
2021/11/24(水)
水曜日のお昼は、生協の配達を受け取ったあと、グラウンドゴルフの2回目。
子ども食堂の金曜日会合は夜なので、行くことができるかは微妙。
読み終えた小説。
なでし子物語の3作目。
遠藤本家(遠藤林業)と下屋敷(遠藤家の分家)の関係。主人公(本家に嫁いだ間宮燿子)と下屋敷のお嬢さん、由香里。そういえば上屋敷はどういう感じだったけ(下屋敷は本家と同じように衰退、上屋敷はうまくいっているということだっけ?
後半は、地元スーパーが東京本社の大企業のフランチャイズになってしまい、それも潰されるという展開に、主人公燿子が絡む。
素人の起業。武器は自然の素晴らしさ。あとはネーミング(ミネシュー、ミネパン、ミネロール)や高齢者サービス。やはり地元テレビ局による広報・・・
そうそう、ミネオハープはとても気になる。浜松市の奥座敷という設定で、昔金管楽器を作っていたじいさんが吹くラッパも面白い。
伊吹有喜『地の星 なでし子物語』ポプラ社、2017年。2014~2016『asta*』初出。
<今のわたしは、あの頃なりたいと望んだ自分になれているのだろうか。
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。
ベストセラー『なでし子物語』待望の続編。
ドラマ化、映画化、舞台化など話題作続々、伊吹有喜最新刊!>
https://www.readingkbird.com/entry/2018/04/11/181150
<まずは峰生の名家・遠藤家の邸宅・常夏荘がまだ残っていたこと安堵。
しかし、常夏荘は以前と違い経済的にも苦しい状況。そして一番の変化は、当時、使用人の孫娘であった燿子が、常夏荘の長男と結婚をし、子供を生み、この地で女主人として奮闘中であった。
やぁーいきなりあのヨウヨが28歳のすっかり大人の女性になっていてビックリ!なんて感慨に浸っていたのも束の間。
常夏荘の状況もよろしくなく、なかなか生々しい物語になっていたことに若干の失望感。
燿子は少しでも常夏荘の役に立とうと、家族の反対があったにもかかわらずスーパーのパートを始める。そこでもいじめなど辛いことも
多々起こるわけだが、スーパーの存続も危ぶまれたことにより、
燿子の底力が発揮され、見る見るうちに物語が活気立ってゆく。
このあたりの展開はお仕事物語的なものがあり、人間関係と経営の難しさがクロスされ、従来の「なでし子物語」からちょっと違った雰囲気を帯びてくる。
しかしながら常夏荘とこのスーパーは常に繋がっており、どちらの行方も気になるといった読者には目が離せないものに仕上がっている。また、燿子とともに育った立海、二人を見守っていた照子さんの現在もみどころです。
本書では燿子がどんどん逞しくなっていく様や、地域の人々との関りなどが際立ち、あの時の常夏荘よりだいぶ賑やかなものになっている。
ただ何もせずに過ごすのではなく、「どうして」を 「どうしたら」に変えて行こうとする人々の姿が心を打つ。
このあたりは前篇の「自立、自律」のテーマと同じであり、筆者がこのシリーズを通して読者に伝えたいものなのであろう。
ちょっと職業小説っぽい流れになってしまったな~と言う気持ちもあったけど、時の流れとともに小説の中の人も私たちと同じく
変化していくものだと、自分なりに落としどころを見つけて読了。>

